クアラルンプール(マレーシア)・ゴルフ紀行 2

   2014年09月11日~09月22日      その1  

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  (写真にカーソルを合わせたとき、手の形に変わったら、大きな写真にリンクしています)

 章くんが泊まっている、裏町の小さなホテルの前には、タクシーは常駐していない。フロントの兄ちゃんに「タクシー呼んで」と言うと、「外に出て拾ったほうが早いっすよ」という返事…。

    モノレール「ブキット・ビンタン駅」の朝 →

 キャディバッグを下げて通りを歩いていくと、『ゴルフ場へ行く客だ』と思ったのだろう、早速タクシーの運転手くんが声をかけてきた。
 「テンプラパーク・ゴルフクラブ、ユー、ノゥ?」と聞くと、「100RM」と言ってくる。あごヒゲを生やした、小太りの40歳前後の兄ちゃんだ。ちょっとエネルギッシュな感じが鬱陶しい感じだ。
 インターネットの事前調査ではテンプラパークまで1時間ほどとあるから、50〜60RMぐらいが相場だろうから、「50RMだろう」と言うと、「80RMで…」とちょっと値下げをしてきた。まだ高いと思ったが、キャディバッグを抱えてなおもウロウロするのは、正直かなわない。20〜30RM(1000円足らず)ぐらいのことならいいかと思い、80RMでオーケーしてタクシーに乗り込んだ。

← クアラルンプールの町外

 大都市の周辺部だからか、高層マンションがたくさん建っていた。

 もう少し
  郊外へ →



  おばちやんの2人乗り ↓



 上海や北京、バンコク、ジャカルタなどと同じように、クアラルンプールにも、たくさんのオートバイが走っていた。大きな交差点での信号の変わり目など、青信号になると一斉にエンジン音を吹かして飛び出してくる情景は、オートバイレースのスタートさながらだ。
 でも、クアラルンプールでは、バンコクなどの3人乗り4人乗りは見られず、北京・上海などのノーヘル乗車もない。
 この写真は妙齢のご婦人おふたりのオートバイだが、ちゃんとヘルメットを着装している。交通法規の浸透は文化のバロメーターだとしたら、クアラルンプールは確実に東南アジアの各都市の先進地域である。
 12時55分、右手にテンプラパークGCのパンフレットで見た、シンボルの岩山が見えてきた。クアラルンプールの市内から、なるほど1時間ほどである。

 ンプラパークGCのシンボルの岩山が →

 タクシーは、その岩山を通り過ぎていく。この道路には交差点はなくて、右折する車は次のUターンレーンまで行って反転し、脇道の地点まで戻って左折するのだ。

← Uターンレーン

 脇道に入ってほどなく、「テンプラパークGC」の看板があった。↓







 この看板のすぐ手前の道端で、自転車の荷台に置いた板の上に、ビニールの袋に入れてゴルフボールを売っているおじさんがいた。バンコクのゴルフ場で、ウエットスーツにゴーグルを着けてコースのイケに潜っているおじさんを見たことがあるが、あんなふうにして拾ってきたボールを袋詰めにして売っているのだろうか。
 運転手くんが「ボール、ボール」と勧めてきたが、章くん、このラウンドのために1ダースを新調してきた。「いい、いい」と言って、車を進めた。

← ゴルフ場に入口のゲート








      クラブハウスが見えてきた →



← 玄関にはキャデイ(見習い)さんが待機していて
 バッグを受け取ってくれる。



  玄関右手に受付が
 あった。    →



 この受付へ、章くん、用意してきた氏名とティテイムを書いた紙を差し出す。口で言ってもいいんだけれど、外国の駅で切符を買うときの要領で、紙に書いてきたのだ。
 その用紙を見た受付嬢は、「ウン、ウン」とうなずいて、大きな電卓に848と打ち込んで示してきたので、現金を支払って複写の受け取り票を受け取る。
 その受け取り票の1枚をスタート室に届けて、受付完了である。あとは、キャディバッグがカートに積まれるのを待って、スタートすればいい。

          中庭からシンボル山をパチリ →

 写真の建物の右端がロッカールームだ。入口でサインするとロッカーキーをくれる。章くんは着替えをキャディバッグに入れているので手ぶらで行ったら、「ドゥ ユー ユース ロッカー? (ロッカー、使うのか)」と聞かれた。「使うよ」と答えてキーを貰い、靴だけ放り込んできた。
 このロッカーは秀れもので、キーを近づけると施錠・解錠する。入れるものがないのが、残念なぐらいだ。








← 混雑するキヤディ溜り

 この青い服の女の子たちは、バッグの積み下ろしや上がってきた時にクラブをきれいに磨いてくれるキャディ見習いさんたちだ。ラウンドについてくれるキヤディさんは、オレンジの制服を着ている。

 このテンプラパークは日系会社の経営で、設計は尾崎将司、クアラルンプール北部郊外の石灰岩丘陵一帯のジャングルを切り開いたコースで、荒々しく岩肌をむきだした巨岩が独特の奇観を呈している。フェアウエイは広くて、距離は長い、雄大でタフなコースだ。
 マスター室には日本人の係員が居て、朝のスコールでスタートが2時間遅れたこと、午後は2時からのショットガンスタートにするため、みんなてんやわんやなのだなどと説明してくれた。2時半スタートと聞いて、少し時間があるなと思った章くん、「練習場はどこ」と尋ねると、「ちょっと遠いのでカートを用意させます」と便宜を図ってくれた。

 日本のゴルフ場の練習場の遠さと比べても、全然遠いなんてことはない練習場だった。用意してもらったカートで1分…。乗用車が数台停まっているということは、練習だけに来ている人も多いということか。
 ボールを買おうと係員室を覗くと、誰もいない。300ヤードの打ちっ放しの向こうで蠢(うごめ)く人影へ「ボール、ボール」と叫ぶと、300ヤードの彼方からおじさんが、こちらから打つボールをヒョイヒョイと避(よ)けながら走ってきてくれた。

← 300ヤード打ちっ放しの立派な練習場だ。

 ボールは50球8RM、100球16RMで、現金で支払う。ティアップするためには、おじさんに「ティ、ティ」と言い、へそティを借りてマットの穴に差し込む。
 左の芝生の上からは、アプローチショットを繰り返している人が居たし、前の打席にはレッスン中の人が居た。

 50球を打ち終えてへそティを返し「サンキュー」と言うと、弁当を食べながら、おじさん、ニコニコして「サンキュー、サンキュー」と手を振ってくれた。

 キャディ溜まりに戻ると、まさにみんなのバッグをカートに積み込んでいる最中だった。キヤディさんも、午前のラウンドから上がってきた人を順番につけて、スタートさせているという慌しさだ。

 キヤデイ溜りの横の13番ティグラウンド
  から、シンボル山を入れてパチリ  →


 章くんのスタートは14番ホールから。キャディさんが上がってこないのか、なかなかつかなかったのだが、2時15分、いよいよ出発だ。

← コース案内板

 14番スタートだから、このコース図の真ん中、上から2番目のホールを右のティグラウンドから左へ打ってくるわけだ。
 次の15番は谷を越えて左へ打っていき、16番は一番左のパー3、17番のパー4を経て、18番は大きい池を下のティグラウンドから池越えで上へ打つ。


       14番へ向かうカート道 

 右がこれからプレーする14番、左は10番ホールだ。





← 10番スタートの組が、ティグラウンドに
 居ます。


 今日のキャディは「NANIK」ちゃん。まっすぐ行けば「ナイスショット」、ミスショットには「まだまだ」と励ましてくれます。

 14番、370ヤード、パー4。ティショットはまずまず…、160ヤードの残りを4番アイアンで打ったところがダフって3オン。グリーン上では、日本のホームコースの遅いグリーンに慣れている僕はいきなり4パットの「7(トリプル)」スタートだ。
 15番、535ヤード、パー5。ティショットは谷越え、セカンドは左ドッグレッグ打ち下ろしで、どれだけ打つと突き抜けてしまうのかわからない。そこでセカンドは7番アイアンで見えているフェアウエイへ運び、残り110ヤードを9番で右エッジへ。ところがここでも3パットしてダボ!
 16番、125ヤードの打ち下ろしパー3。9番アイアンのショットは少しショートでフロントエッジで止まりまった。再度9番を使って転がすと、やはり速いグリーンに5mほどオーバー。しかも、ここからまたまた3パットでダボ!
 17番はまっすぐな380ヤード、パー4。ティショットはナイスショット、残り160ヤードを4番アイアンで打つもダフって右手前へ。アプローチを2mに寄せたけれど、2パットでボギー。

    17番、380ヤード、パー4 →


← 18番、380ヤード、パー4

 18番はティショットを池越えに打つか、右のフェアウエイへ打って池を回っていくか、決断を求められる名物ホールだ。
 池を越えてショートカットしていくには175ヤードのキャリーが要る。右から回っていけば、少し長いセカンドが残ることになるが、3オンは容易だ。

 ここまで4ホールで8オーバーの章くんには、もはや怖いものはない。正面の出島へ向けて「エイッ」と打つと、少しドローがかかったボールは見事に対岸を捉えて、ピンまで90ヤードのフェアウエイに止まった。
 砲台グリーンへは打ち上げで、ピンの根元は見えない。アプローチウエッジでしっかり打って4mにオン。2パットのパー。

 14番からスタートしてここまでの5ホールで8オーバー。パットをはじめ、細かいところが今ひとつ…、旅先のゴルフの難しさか。
 気分を一新させて、さぁアウトへ向かおう。

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