第3日  Thana City Golf Country Club
朝食
 午前6時に起きた。「まだ、真っ暗やんかぁ」とフラフラの奈津子をせきたてて、朝食に向かう。
 「お前、タイでは寝やんのと違うのか」と言うと、
 「そうやったわ、ここはタイや。章さん、飲み物は? 昭ちゃんは、何飲む?」と目を覚ました。

 7時15分、予定よりもちょっと遅れたけれど、タクシーに乗り込みゴルフ場へ。今日のコース、「タナ・シティゴルフ&カントリークラブ」は、グレッグ・ノーマン設計による6966ヤード、パー72のコースだ。
 バンコクは、チャオプラヤ川の河口部に開けた湿地帯で、360度ぐるっと高い山が見えないというほど平坦な地形である。だからバンコク周辺のゴルフコースは全体的にフラットだけれど、水を逃がすための池が至るところにあり、加えてこのコースは要所にバンカーを配した、ノーマンらしい戦略性に富んだ仕上がりになっている。1993年のタイ・オープン、1994・1995年の廣済堂レディス、1996年アーニー・エルスが勝ったジョニーウォーカー・カップなどを開催しているトーナメントコースである。
 今回のタイ・ツアーでは2回のラウンドを予定しているが、難コース好きの章くんは2回とも戦略的なコースを選んでいる。今日がグレッグノーマン設計の「タナ・シティGC」、明日はジャック・ニクラウス設計の「レムチャバン・インターナショナルGC」という、これまた一筋縄ではいかないコースだ。
 奈津子には気の毒だったのだが、昭ちゃんはいちおうシングル・ハンディキャッパー(Hc9)だから、海外の難コースを経験させたいと思ったのである。
タナ・シティGC コース図
  ↑ コースレイアウト。 各ホールに池が
  絡んでいるのがよくわかるでしょう。


 タイのタクシーはぶっ飛ばす。30分少々で着いた。
 受付の窓口で、「8時35分のティタイムです。3人…」。みんな、歩いてラウンドすると言うのでカートは頼まなかった。料金が解らなくて、1人3000バーツを目処に9000バーツを窓口に差し出すと、3000バーツを返してくれ、さらにお釣りと受取証をくれた。1人1900バーツほどの計算だ。
 ロッカーへ着替えを入れたバッグを預け、料金受け取り票をキャディマスターらしき人に渡すと、早速、キャディの手配をしてくれる。ついたキャディさんに「よろしくね」と挨拶して、パターを抜き出し練習グリーンで転がしていたら、程なく「*▲@∀◇煤ヲ〒▼▽〜(タイ語)」と呼びに来てくれた。タナ・シティGC 1番416Yパー4

            1番416Y パー4 →

 16のホールに池が絡むこのコース、1番(416Y.P4)、ティショットをスライスさせて、奈津子が早速に右側に平行しているクリークに掴まった。折り返しの2番(302Y.P4)も右がクリーク、3番(500Y.P5)はグリーンの手前が池になっている。
 4番(148Y.P3)はティグラウンドからグリーンの間は全て池、5番(533Y.P5)右にずっと続く池がグリーンの前にグィッと切れ込んできている。6番(421Y.P4)はティグラウンドの前が池。7番(P3)は初めて池が絡まないが、219Yと長い。8番(462Y.P4)はオーバーすると池。
 9番(440Y.P4)は最難関で、長い上にアイランドグリーンだ。残り200Y近いセカンドを、池の中に浮かぶグリーンへ止められるはずがない。第一、届くかどうかが危ない。章くん、セカンドの残りが200Yあって、7番アイアンで刻んで3オンのボギー。昭ちゃんはセカンドをバフィで打って池ポチャ…。
 アウト、章くん41、昭ちゃん46、白から打っているまた来年も来ようかと奈津子奈津子50。

  「池ばっかりのコースやなぁ」と笑うしかない奈津子 →

 タイのゴルフ場はハーフの休憩はなくて、18ホールを通して回る。3ホールごとに茶店があって、スナック菓子や果物を置いている。ここのコースは、おにぎりが用意してくれてあった。

 10番(552Y.P5)ティグラウンドの前が池、11番(389Y.P4)ティグラウンド前の池がフェアウエイの右へクリークとなって伸びている。12番(174Y)はそのクリークを斜めに越えてのパー3。13番(410Y.P4)右がずーッと池、14番(344Y.P4)は左にクリーク。15番(405Y.P4)はティグラタナ・シティGC 14番344Yパー4ウンドから260Yのフェアウエイをクリークが横切っていて、16番(551Y.P5)はティグラウンドから続く左の大きな池に、グリーンがグィッと首を突き出している。

← 14番 コースの横に豪壮な別荘が並んでいる


 17番(194Y.P3)はインで唯一池が絡まないが、18番(442Y.P4)は左の池を回っていく長いパー4。グリーンの手前に池が食い込んできているから、ここでも長いセカンドショッシを、池越えに打たなくてはならない。章くん、210Y残ったセカンドをバフィで打って、グリーン右のラフに外してボギー。攻め切れない。
 インは、章くん42でトータル83。池に1個しか入れなかった昭チン44で90。奈津子は47と大健闘で97、「100は叩かんなぁ」と大喜びだ。

 途中の茶店でいろいろなものをパクつきながら回ってきたので、お腹もさほど空いていない。シャワーに入って汗を流し、コーラを飲みながら待ったタクシーでホテルへ帰り着いたのが、午後4時ごろだった。
 「ちょっと休憩して、夕食に出よう」と6時まで一休み。章くん、寝てしまった。

 さて6時、夕食だ。「何を食べる?」「タイへ来たら、まずはタイスキやろ」ということで、タイスキ・レストラン「COCA(コカ)」へ行くことにした。
 ラーマ1世通りとラーチャムダ通りが交差する交叉点に、バンコク伊勢丹が入る大ショッピングセンター「ワールドトレードセンター」がある。「COCA(コカ)」はその6階だ。
 タイスキは、日本でいう鍋物である。さまざまな具材を注文して、煮込んで食べる、ただそれだけだ。章くんたちはセット(盛り合わせ)に、追加の具材としてカニと麺(緑色のもの)を頼ん盛り合わせだが、セットの大皿の大きいこと、その量の多いことにビックリ…。タイスキ
 

     大皿に盛られた具材 →


 煮立ってきた鉄鍋に、具材を入れていく。店員のお兄ちゃんが入れてくれる。鍋は日本人のお手のものなんだけど…。

 スパイス     タイの料理には、いつも香辛料や調味料がついてくる →

     好みに応じて入れればよいので、辛いものが好きな人も
     苦手な人も、それぞれの好みに応じて美味しく食べるこ
     とができる。

 鍋の具をきれいにさらったところで、お腹いっぱい。でも、さらに雑炊を作ってもらって、日本の鍋のフルコースを味わってきた。もう動けない。飲み物も入れて、3人で2400バーツ(7200円)ほどだ。

 帰りはタクシーをハッポンで降りて、夜店をブラブラ…。奈津子はまた、財布、バッグ、ブレスレット、ブラウス…などなどを買い込み、歩くイミテーションになるつもりらしい。
 章くんと昭ちゃんは、裸の女の子が踊っているゴーゴーバーをのぞいているが、「何やってるのさ」と奈津子に叱られて、すごすごとホテルへ帰った。

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