第1日 9月19日(土) 出 発 !
「1週間ぐらい続けてゴルフしたいよなぁ」と章くん(飯田 章)。「ホンじゃ、アメリカでも行くか」と信ちゃん(村上信吾、隊長)。5月のラウンド中に、ポツリとつぶやいた遊びの話はトントン拍子にまとまって、その日のうちに、期日は9月の中頃、目的地はアメリカ西海岸、移動はレンタカーで行い、宿は現地でモーターホテルを探す、費用はできるだけ安く…などを決め、あとは村上隊長にお願い。
隊長、コースの予約だけは入れておかなきゃということで、目指すゴルフ場にFAXを送ると、ほとんど返事が返ってきますが、返事のないところは近所の英会話ギャル「オリエちゃん」に電話をかけてもらった
りして、おおむねOK!。… 数日後、「25万円持
って集合」という呼びかけに、明日のことは考えない
8人のオッサンが集まりました。
やがて出発の9月19日。
大阪空港にて出発を祝うラーメンを食べ、午後0時20分発のノースウエスト26便に搭乗。
第2日 9月19日(土) アメリカ到着
確か19日の昼過ぎに大阪空港を飛び立ったはずなのに、その日の朝に
ロサンゼルス空港に着いた。日付変更線のなせる技ですね。
空港でレンタカーを借り、ロサンゼルスの街へ。おっと、ここでは車は右! ついつい左側を走ろうとして、その都度、同乗者から悲鳴があがります。「右や、右。右側走ってくれ〜!」。
これからのアメリカ7連戦のためにまずはゴルフの用品を買い込もうと、章くんたちはダウンタウンにある日本人街「リトルトーキョー」へ向かうことにしました。大きな建物が建ち並ぶ一角…、その方向がダウンタウンですから、とにかく大きなビルを目当てにして、その近くまで行くのはそれほど難しいことで

はなかったのですが、リトルトーキョーはどのあたりなのか…、その街中にある全米第一のゴルフ用品チェーン店「ネバダ・ボブズ」はどこなのか…。近くまではたどり着くのですが、最後の詰めに迷いに迷います。
← リトルトーキョーの街角で「二宮金次郎」の像を見つけた。
異国の地で自らの運命を切り開かねばならなかった
移民一世の人たちは、勤勉を戒めとして 日々に立ち
向かっていたのだろう。
全米第二の都市ロサンゼルス市内を巡り、そこからサンフランシスコまで、行程1600kmにおよぶ見知らぬ異国の車の旅を、レンタカー屋でサービスにもらった一枚の地図でやろうというのですから、この旅を企画した村上隊長の無鉄砲さには驚きを通り越して感動すら覚えてしまいます。その交差点を右に曲がればすぐに目的地なのに、「ムムッ、ここは勘や。左へ曲がれ、左〜ッ!」と、左に曲がってまた迷子…。
その隊長に、「本屋に寄って、カリフォルニアの道路地図を買ってください」と言うと、「アメリカに道路地図なんか売っとるかい。本屋で売っとるンは平和ボケの日本だけで、アメリカで道路地図は軍事秘密じゃ」といった調子なのです。ホントは売ってる…。
迷いに迷いながらも一行は目的の「ネバダ・ボブズ」にたどり着き、思い思いの用品を買い込みました。タイトリストのボールが1個
1.05ドル=126円だから安い。
優ちゃんが、直径が1mほどある展示用のキャディバッグを買うと言い出しました。「何に使うの?」と尋ねると「家にあるクラブをみんな入れて、整理する」と言う。「幾ら?」と店のオヤジさんに聞くと、「380ドルだけど190ドルに負けておく。航空便で送るから、日本に帰った日に空港で受け取ってもらえるよ」とのこと。優ちゃん「安いッ、感激した。買った!」。
帰りの大阪空港で受け取りに行って、『送料250ドル取られた!』と青い顔で帰ってきました。
買い物と昼食を済ませて午後2時、市内の
レイクウッドCCへ。「今からスタートできるかい」とプロショップのおじさんにカタカナ英語とボディで尋ねると、「好きなだけ回っていきな、遠来の友よ。料金はカート代も入れて1人60ドル50セント。前金で貰うよ」と、多分そんなことを言っていたような雰囲気…。料金を払ってとにかくスタートへ。

1番のティグラウンドへ向かう途中、練習グリーンの横から、なにやらにぎやかな音楽が聞こえてきました。見ると、白いウエディングドレスの花嫁とタキシード姿の新郎がダンスをしています。結婚式のまっ最中なのです。やがてたくさんの人々の踊りの輪が広がって、パーティは和やかに行われていました。アメリカのカントリークラブは、文字通りのカントリー(地域の)クラブ(集会所)なのです。
← 練習グリーンの横で結婚式!
アメリカ第1戦 レイクウッドCCにて
サブグリーンの横で、音楽に乗ってダンスを踊る
新郎と花嫁!
このレイクウッドCCはロス市内にたくさんあるパブリックコースのひとつで、6992ヤード パー72 コースレートは71.6。レイアウトは公園風で、家族連れ、老夫婦、友達同士などが4人・2人あるいは3人で思い思いにプレーしていました。
章くんたちの後ろのパーティは両親と2人の小学生ぐらいの男の子の家族連れ。前はクラブを担いだ40才前後のマッチョな男性1人。グリーンがつかえていたあるホールで、しばらく待っていたマッチョのセカンドは見事なザックリ。大きな芝生は飛んだのですが、ポールはほんの数mしか動いていません。と、その男、やおらダフったそのクラブをグリーン方

向へ怒りの投てき。クラブは見事な軌跡を描いて100ヤードほど前方のフェアウエイへ…。アメリカ人もダフると怒るンだ!
「フック打つなよ〜ッ、あの家の窓をぶち破るぞッ」→
多くのコースが住宅地に隣接しています。しかもゴルフ場との間には垣根もなく庭続きなのです。農薬公害なんて誰も問題にしていません。むしろ、ゴルフ場に隣接していることは、住宅地のグレードアップにつながるのです。
プレーが終了したのは午後7時。章くんの初陣は44・40の84。もう係りのおっちゃんも誰もいなくて、自分でバッグを降ろしてお片付け。カートを小屋へ入れて、グッドバイ…。
さて、これから今夜の宿探し…、おっと、その前に夕食をとらねばなりません。日本でもお馴染みの
デニーズを見つけて飛び込んだおっさんたちは、「ビールや、ビール!」。聞きなれない異国の言葉で口々に言う注文を、ウェイトレスのキャシーはこぼれんばかりの笑顔を見せてメニューを広げ、何度も聞き直しながら確認してくれます。くったくのないその明るさに、アメリカの底力を見たような気がしました。
待つことしばし、出てきた料理を見て仰天ビックリ…。洗面器ほどの皿に牛のえさかと思うほどの野菜と革靴ほどの肉の塊が乗っているのです。誰も一人前を平らげることはできず、これからは二人で一品にしようと反省…。と、隣のアベックを見ると洗面器のえさをぱくつき、ボーイはビールの大ジョッキの5杯目をペロリ。ガールはレンガほどのパンをムシャムシャパクパク!。ここにもアメリカの底力があ

った。
満腹になったところで、今夜の宿探し! アメリカ第1夜にふさわしい宿を探そうと一方通行を逆走したり、右折禁止を強引に曲がったりしながら探し回りましたが、週末でなかなか空きがありません。右へ左へと2時間…、探し回るのも楽しい。やっと見つけた
「クラリオンホテル」は高級ホテルにひけをとらないモーテルで、「アメリカ旅行はモーテルで十分」と、みんなを納得させる効果を挙げたようです。
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