第8日 9月25日(金) 出たッ! アメリカのサブグリーン
この日の
「パロアルトGC」は、住宅地の中に芝生を張り、池・小山を配したコース。この夏にスプリンクラーが故障して、グリーンを枯らしてしまったため張替え中で、章くんたちが訪れたこのときはフェアウエイの一部を丸く刈り込んだサブグリーンを使用していました。

微妙なタッチで打つパットでは半分もいかず、グリーンの外からゴツンと打ったトップ気味のボールが距離ぴったりで、旗ざおにカーンと当たってカップインという凄さ。優ちゃんなんか、数発放り込んでいました。
このパロアルトGCは、典型的なカリフォルニアのパブリックコース。前のパーティは3人のおじいちゃん。1人は乗用カート、1人は手引きのカート、もう1人はバッグを担いでのラウンド…。「ゆっくり来て
下さいね、日本の方は早いから」と言われました。
隣が飛行場で、自家用飛行機の愛好者達が次々と軽飛行機の離発着を繰り返していました。1本のドライバーでエンジンの調子を調整し終えると、即座に飛び乗って飛び立っていくのです。次々と飛び立つ飛行機のようすは、まるで連凧のようでした。
この日がアメリカ最終戦。そろそろ旅費も底をついてきた面々は、一攫千金を目論んで「競馬やろうぜ、競馬…」。みんな、自分だけは当たると思っている。
連戦に疲れ果てた8頭のヨレ馬のレースは混戦…、結果は奇跡の大穴! 優勝、村上隊長、2位橋っさん。最終戦に優勝するなんて、隊長、ホントは上手だったんだ。でも他の全ての目を買ったとしても、これだけは買えない。それが証拠に、2人とも自分で買っていなかったのです。
全てのラウンドを終了した章くんたちは、今夜の宿泊地
サンフランシスコへ向かいます。「繁華街に宿を取ろうよ、路地奥の小汚いシスコの裏側を感じさせるようなところ。本場のポルノも極めなきゃならんし、アメリカ最後の夜をフィーバーしようぜッ!」と言いつつダウンタウンへ。
ところが大通りを走っている間は良かったのですが、とある街角を曲がって路地に入ると、道端に4人・3人…5人といった人の群れが座り込み、行き過ぎる私たちの車を目だけで追ってくるのです。と、前から自転車に乗ったフーテン野郎が2人、道いっぱいにフ〜ラフラとやって来る。みんなで口々に「轢くなよ〜ッ、殺されるぞ−ッ! 目ェ会わせるなよッ。こッこら〜、止まるな−ッ。… 」。

ヒビッた一行はダウンタウンからはるか離れた住宅街の一角にある「
クオリティ・イン」へ投宿、小奇麗なシスコの上っ面を実感できるところです。
一休みして、買い物のために百貨店「
メーシーズ」へ。「閉店時間の6時にこの玄関で」と言い合わせて、それぞれは思い思いのコーナーへ向かいました。
… やがて6時、待ち合わせの玄関へ。アメリカの百貨店は閉店時間になると、客が居ようがお構いなしで入り口を閉めてしまいます。しかも、ウインドウの外側の鉄格子も降ろすのです。
「橋っさんと荒ちゃんが遅いなぁ」と言いながら鉄格子の奥を見ると、閉められたガラス戸の向こうに橋っさんと荒ちゃんの顔!。出遅れて、閉じ込められてしまったのです。早速、救出作戦を練り、シスコ警察かレスキューかFBIに連絡をと思ったのですが、ほどなく2人は非常用出口から脱出してきました。
この夜の食事は、シスコ名物の路面電車にぶら下がって、波止場まで行き、フイッシャーマンズワーフにある海老カニ料理店に入りました。アメリカ最後の夜、思い切っての奮発豪華版…。
総じてこの旅の食事はパン大好きの章くんでさえ、アメリカはちょっと大味かなと思ったのですが、それはファミレスとか観光地のレストランなどでの食事が続いたせいで、ちゃんとしたレストランならばたいへん美味しい料理が出て来ることを知りました。
飲んで食べて満腹になったあとは、夜の
ゴールデンブリッジ見物。たくさんのイルミネーションが輝き、ライトアップされた金門橋は、アメリカ最後の

夜を飾るにふさわしくとてもロマンチックでした。
うしろに輝いている、ライトアップされたゴールデンブリッジはとてもロマンチックでした…が、露出不足で写っていませんね。ゴメン!!。
連戦で日焼けして、夜の闇に溶け込んでいる人もいますね。 →
ゴールデンフリッジを見た後、「次、どこ行く?」と聞くと、「ホテルに帰って寝る」と言う。おいおい、シスコの夜の裏側を歩き、本場のポルノを極めるんじゃあなかったのか? ホントに健全なゴルフ馬鹿おじさんたちでありました。
第9日 9月26日(土) アメリカの底力!
6時30分起床。朝食を済ませ、7時10分出発、サンフランシスコ空港へ向かいます。7時40分、AIVSでレンタカーを返し、空港ロビーまでバスで送ってもらいます。8時、空港着。9時10分、US-AIRに乗りロサンゼルスへ飛び、10時10分、ロス着。国際線ロビーへ循環バスで移動。12時25分発、NW機にて帰路、11時間30分のフライト。
アメリカで会った人たちは、みんな底抜けに明るく親切な人たちでした。この国の底知れない実力は、この陽気な明るさから生まれてくるものであり、今日という現実がつらく苦しいものであったとしても、この明るさがある限り明日はまた希望に満ちた一日が始まることを、この国の人たちは信じて疑わないかのようでした。そんな力強さを、その明るい笑顔の内に秘めているようでした。
第10日 9月27日(日) また、お会いします。
午後4時25分、大阪空港着。帰ってきました! 帰り道に寄ったレストランで、肉料理を頼むものなし。「麻雀、していこか?」と声をかけたけど返事なし。
愉快な話、まだまだあるんです。また、本にでもまとめて…いつのことになるかわかりませんが、ご紹介したいと思っていますので、ご覧になってください。

世界のゴルフは日本のゴルフと同様の…いえ景色が変わる分、その何倍かの面白さがきっとあります。クラブをかついでぜひお出かけください。気軽に、電車に乗るように飛行機に乗って…。
ではまた来年、お目にかかりましょう。
完
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