第7日 7月2日(金)  紳士の国の練習は 上着とネクタイ着用

 今日と明日はロンドン滞在。でも、今夜の宿はロンドン市内に移るため、今日の日中がゴルフの章くんたちは、朝、ノボテルを出たあと、ゴルフ場へ持っていけない荷物を空港へ預けようと、ヒースローへ向かった。ゴルフ道具以外の一式をカバンに詰め込んで、荷物預かり所へ。
 今日のコース「ウオルトンヒース・オールドGC」は、ロンドン北西部の郊外にある。空港からタクシーで約1時間、100£(=20000円)ほど。近くへ行ってから、グルグルと探し回った。
 運転手のおじさんも知らないところだから仕方がないのだろうが、「この辺のはずなんだけれど」とかナントカ言いながら、同じところを行ったり来たりする。ロンドンタクシーの運転手は、結構年配の人が多い。なんかマイペースだし、しかも中には「35ポンドの料金に10ポンドのチップでトータル45ポンドだ」と堂々と言う者もいて、ちょっと感じが悪かった。そんなときは「ドゥ ユー セイ ジョーク?(冗談言うとンのか)」と5ポンド渡すつもりのチップを2~3ポンドしか渡さない。
 2~3周して入り口を見つけ、入っていくと、どうも正門ではないようで、アプローチの練習場にぶつかった。3・4人が練習していたのだが、全員ネクタイをしている。
 パッティング・グリーン、テラスの横をすり抜けて玄関へ回っていったのだが、クラブハウスで集う人も、その前のパッティンググリーンでボールを転がしている人も、みんなネクタイをして、上着を着ている。
 案の定、空港にネクタイと上着を預けてきた章くんたちは、玄関からは入れてもらえず、プレーヤーたちの出入り口から中へ入ってロッカーへ。

← 
さすがは紳士の国の名門コース。
    練習している人もネクタイに上着着用!



 このコースの手強さも特筆ものであった。左右の林に入れたらまず見つからないのは仕方がないとしても、ラフの強烈なこと…。日本のコースでは、ラフも何cm以下とかで刈り込まないと難しすぎると客に叱られるけれど、ここではラフを刈ったら叱られるのかと思うほど。
 あるホールで、隊長が70ヤードほどのアプローチをショートして、グリーンの手前のラフに入れてしまった。他の3人が見ていて、「ここへ入った!」と言いながら探したけれど、結局見つからずにロスト…という強烈さである。章くんも、2番と6番でロストボールとなりキレそうだったけれど、このツアーの最終戦だからと思い直し、粘って45・42の87。

← ラフに打ち込んだ荒ちゃんの横を 女の子の乗ったお馬さんが行く。コース内にお馬さんの道があるんだ。


 午後5時、プレーを終えてロンドン市内へ取って返す。今夜の宿は、大英博物館のすぐ隣にある「ラスキン・ホテル」。
 一休みしたのち、4人は夕食がてら街へ出た。紳士の国でも、赤信号で立ち止まる人はいない。

        お嬢さん、信号「赤」ですよッ →
            「ノン プロブレム!」


 大勢の人が群がっているのは「パブ」。客はビール片手に路上にまであふれて、老いも若きも男も女も立ったままでワイワイガヤガヤ…。7時ごろから集まってきて、深夜の2時ごろまでやっている。欧米人の議論好きはここで培われたものなのだろう。
 街角で赤いポストを見つけた。ポストが赤いと、なぜかホッとする。

← 町のパブは店からあふれた客が路上で
 立ったままワイワイガヤガヤ

 
 夕食を済ませて、時計を見ると午後11時。「さぁ、どこへ行こうか」と章くんが言うと、皆は、「スーパーでミネラルウオーターを買って、ホテルへ帰る」と言う。『修学旅行じゃねぇぞ、ロンドンの夜は深いンじゃあないのか』と口ではがんばったけれど、連戦の疲れが足に来ていて一歩が出ない。


第8日 7月3日(土) ロンドン市内

 ヒースロー空港を午後10時に発つまで、自由時間である。知性派の村上隊長はナントカ美術館へ、アホ組の章くんたちは市内見物。午後1時に百貨店ハロッズの南東入り口で落ち合うことになった。
 アホ組は、早速、ロンドンタクシーに乗って、ウエストミンスター寺院へ。

           ウェストミンスター寺院に眠る
                 エリザベスⅠ世 →



 エリザベス女王を始め、歴代国王・女王の像に拝謁したあと、午前11時からの衛兵交代式に間に合うようにとバッキンガム宮殿に向かった。
 宮殿前はたくさんの人で、広場中央の女神像の台座の上にも鈴なりの人。裸婦像の原の上に陣取っている人もいる。かっこいい女性の騎馬警官が人ごみの整理をしていて、車道にはみ出している人たちに注意し、聞かないものどもをひずめで蹴散らす。裸婦像の上に乗っている男に、「女の腹の上に乗るとは、何よ!」とか言って(多分)、ピッピ-と笛を吹いたりしていた。


← モニュメントに登ったり、道にはみ出たりして
 騎馬警官の女の子に怒られている観衆



 やがてブンチャカブンチャカと赤い制服のアイルランド兵が入場して来て、ピーヒャラピーヒャラと緑のスカートのスコットランド兵が帰っていった。
 日本人の女の子が1人で見に来ていた。今、カナダで働いているのだと言っていた。1週間休みを取って、イギリスを旅しているとか…。日本の女は強くなった。若い男の旅行者は見ない。

       バッキンガム宮殿前広場にブンチャカと
            おもちゃの兵隊がやって来た。
               衛兵の交代式である →



 昼食は街中で見つけた日本料理店へ。店先には信楽焼きの狸まで置いてある。「へいッ、いらっしゃい」の掛け声に迎え入れられた店内は、メニューも日本語で書かれていて、店の子も日本語を話す。

 テレビも、NHKの大河ドラマ「元禄繚乱」のビデオが流れているが、料理の値段はポンドで書かれていた。
 冷やし中華7.5£(=1500円)、うな重9.5£(=1900円)とかなり高いのだが、外国人(?、日本人じゃない人たち)の客も多い。章くんたちは「幕の内」を頼んだ

← 提灯の下がる日本料理店


 午後1時、百貨店「ハロッズ」の玄関で村上隊長と落ち合い、みんなは土産を買いに店内へ。何~ンにも買うものがない章くんは、6.5£(=1300円)のケーキとコーヒーのセットを摘まんで時間をつぶす。イギリスは総じて物価が高い。
 「まぁ、せっかく来たのだから、カシミヤセーターでも買っていくか」と思い直して、閉店間近に350£のセーターを買った。あとで着てみたら、これがばかに大きい。袖は3重に曲げねばならないし、丈は膝の上まである。だから、1度も着たことがない。

       ヒースロー空港にて →

 午後10時少し過ぎ、大韓航空KE908便はヒースロー空港を飛び立った。遠征のときはいつもそうだけど、帰りの機内ではよく寝る。「食事ですよ」と起こされて、「エッ、もう」と思いつつ食べてまた寝る。また「食事ですよ」と起こされて、「エッ、また」と思いつつ食べてまた寝る。… 「間もなく、ソウル金甫空港に到着いたします」のアナウンスに、「寝足ら〜ん。もう一回りしてくれ~!」


第9日 7月4日(日) 帰国

 1週間ぶりの日本は夏の盛り、熱い。午後8時15分、定刻に関西国際空港に到着。
 全て順調に終了…と思いきや、帰り道、高速道路の乗り口を間違えて、神戸へ行ってしまった。日本は、アイルランドより、道がわかりにくい? だから、帰宅は深夜!


 【 顛末は http://4travel.jp/travelogue/10374252 にも記しています。
   よろしければ、覗いてみてください。 】



       
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その1