その1 2 3 4 5 6
第7日目 16日(金) Royal Gems & Sports Club
今朝はム〜ちゃんタクシーが、バンコク・パレスまで章くんを

迎えに来てくれた。章くんを乗せてから、シーロムの吉井さんのマンションへ回るのだ。
5時30分、章くんを乗せたム〜ちゃんタクシーは、未明のバンコクを疾走する。一昨日の夜、1時間かかった距離を7分で着いた。でも、マンション前で待っているはずの吉井さんの姿が見えない。
吉井さんのマンション前にて →
5分…10分…待っても出てこない。吉井さんのマンションへ入っていくには、玄関のセキュリティを解消しなければならないのだが、章くんはその番号を知らない。
章くん、吉井さんの電話番号を持っているのを思い出し、ム〜ちゃんのケイタイを借りて電話を入れた。
「もしもし…」と出た吉井さんに、「玄関前で待っていますよ」と言うと、「えっ、もう玄関前に来ているのですか」とピント外れなことを言っている。吉井さん、昨夜痛飲して寝過ごしたのだ。
そして10分少々…、靴下も半分しか履かずに飛び出してきた吉井さんを乗せて、ム〜ちゃんタクシーは今日の会場「
ロイヤル・ジェムズSC」へ爆走する。しわ寄せは、いつもム〜ちゃんだ。
ロイヤル・ジェムズSCは、マッサージ・スポーツジム・テニスコート・プールなどを備えたコンドミニアムに隣接する、会員同伴コースである。1991年オープン、すべてのホールに池が絡む、とても戦略的でスリリングなコースだ。2004年アジアゴルフクラブアワードに選ばれた名門クラブで、現在の会員権相場は35万Bt(=約130万円。年会費不要)だとか。この会員権を買えばあとはキャディのチップ250Btで毎日ゴルフ三昧だ。このあたりのコンドミニアムの家賃は月額15000Bt、ゴルフ合宿と称して1〜2ヶ月間滞在している人も多いという。
6時25分、到着。今日も、すぐにスタートだ。1番パー、2番ボギー、3番パー。
← 2番のフェアウエイを歩いていると、
日が昇ってきた 【拡大】。
「章さん、調子いいですね」と誉めてもらったとたん、4番435Yパー4のアプローチを2回ダフり、3パットのおまけまでついてトリプルの7…。急にリズムが悪くなって5番ダボ、6・7番ボギー、8・9番ダボで、アウトは48。

「今日のニギリは昨日の倍で100B。みんなの分を集めて、帰りにおいしいものを食べましょう」と握手をしたのだが、この分では、またまた章くんのオゴリとなりそうである。
とんがり帽子のクラブハウスの
左横に見えるのがコンドミニアム →
9番をホールアウトするとすぐ横手に茶店があった。Kohさんがカレーライスのようなご飯を食べていたので、章くん、「同じものを」と頼んだ。「辛いものは平気ですか」とKohさんが言う。韓国料理なども大好きの章くん、「ええ、大丈夫です」と答えて食べ始めたところ、2口3口と進むほどに効いてきた。コーラで口をすすぎながら流し込んだ。
「幾ら…?」と聞いたけれど、「一緒に払っておきます」と言ってくれるKohさんに甘えたので、料金はわからない。
10番のティグラウンドのうしろ。
後続の組のキャディさんたち →
10番523Yパー5、ティショットはテンプラ気味で右ラフへ。バッフィで打ったセカンドがチョロ…、続いて打ったバッフィの3打目はトップで右バンカーの縁、やや前上がりのライに止まっている。4打目、残り180Yと聞いて4番アイアンを一閃…。ボールはラインドライブを描いて、グリーン左の池に消えた。なんか、ボールがヘッドに当たらない。
前上がりでフックボールを出しているようではまだまだ甘い。章くんの第6打目はボールが横切った地点の池のほとりから、60Yのサンドウエッジ…、カツンと乾いた音を残してボールはグリーンの向こう側へ飛び出した。7打目、またトップでグリーンオーバー。8打目で乗って3パットのこのホール11だ。
「先ほどのご飯の香辛料にやられたのですね」と吉井さんが笑う。「僕も慣れないころは、あまりに辛いものには、頭がクラクラしたことがありますよ」と。へぇ、そんなことってあるのだろうか…章くん、辛いものには強いはずなのだが。
【拡大】↓

急性スパイス中毒(?)の章くん、5連チャンと歩きのゴルフにフラフラ…、右足も痛くなってきた。日ごろ、乗用カートに乗ってばかりいて、楽をしている報いだろう。
しかし、相手に弱味は見せられない。17番209Yパー3、ここでニアピン、バーディとくれば大きく挽回できる。Kohさんも吉井さんも、グリーンを外した。3アイアンの章くんの一撃はグリーンの左手前を捉えたが、15mほどの上りのパットが残った。
ファーストパットはガツンと打って1m少々オーバー。残りの上からは、今日のパットでは入る気がしない。触っただけのパットはショー〜ト!
3パットしてニアピンは消え、ボギーの2人に対してホールマッチの勝利も雲散霧消だ。
茶店の女の子、
この輝くばかりの笑顔の明るさはどうだ →
← 18番、558Y パー3 【拡大】
セカンドを前方のフェアウエイへ
打って、この橋を渡る。
18番、セカンドをぐるりと池に囲まれた島へ打っていく難しいホールなのだが、Kohさんも吉井さんもパー。章くんも第3打をピン横7mに乗せ、バーディパットが残った。「章さん、このパットも大きいですね」とKohさんがエールを送ってくれる。

しかし、もう章くんには、このパットをねじ込む自信も、ねじ込もうという意欲も残っていない。「エエイッ」と打った章くんのパットは、ちょっと力が入りすぎたか…、3m以上もオーバーしてしまった。踏んだり蹴ったりの中で最後の気力を振り絞ると、おおむねロクなことはない。返しのパットも外れて、このホールも勝利するどころか黒丸がついてしまった。
インはパーが2つ。4ボギー2ダボ、そして+6が1ホールで50。
トータル 48+50=98で、章くん、「100は叩かん」と嘯(うそぶ)いているが、Kohさんに「章さん、今度は吉井さんハンディをもらわないといけませんね」と言われてしまった。
ニギリは、Kohさんに8つ、吉井さんに5つの負けだ。さぁ、早くシャワーに入って、美

味しいものを食べに行こう。
玄関前のバッグ置き場へ、章くんのキャディバッグを置きにいく
キャディのポ〜ィちゃん。
午後からの客を待つキャディさんが すらーっと並んでいる →

Kohさんの車の後ろをついて行くと、今日の店は扉も何にもない、オープンテラスの店だ。店員は、みんな男の子。それが、愛想も何もない。
「コーラあるかい?」、「………」… コーラって何だ…という顔をしている。「タイの田舎の子たちは、コーラって知らないんですよ」と笑って、酒の飲めない章くんのために甘い果汁のジュースを頼んでくれた。この果汁が、とんでもなく甘い。
Kohさん、車からポットを取り出してきて、「日本の緑茶が入っています」と注いでくれた。章くんのために、家で煎れて来てくれたのだ。
「ここはタイの家庭料理の店です。タイのオフクロの味と言うべきでしょうか」と言いながらKohさんが注文した料理が、次々と出てくる。
← 出てきたものがどんな料理だったのか、残念ながら
よく覚えていないが、これはカエルだ。
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↑ この魚はスズキ。一匹を丸ごと揚げて、
魚醤のソースがかけてある。Kohさんは
そのソースを何度も丹念にかけて、
「どうぞ」と勧めてくれた。 【拡大】
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↑ エビと春雨を煮たもの |
「この魚はね、ここが美味いんですよ」と、
スズキのカマの骨を取り外し、きれいに
食べるKohさん。さすがに、美味しい
ところをよく知っている。 →
「残った骨も、みんな食べられるのですよ」と吉井さんにも勧め、きれいに食べてしまった。日本人はヤワだから無理だろうと思ったのか、章くんには勧めなかったが、魚好きの章くんはカレイの唐揚げで経験済みだ。スズキの縁側にかぶりついてきた。
「また、お会いしましょう」と手を握り合って、Kohさんと別れた。
ム〜ちゃんタクシーで、バンコクへ戻った。キャディバッグをホテルへ置いたあと、買い物もあったので、繁華街の近くにある吉井さんのマンションへ寄せてもらった。
赤い建物が 吉井さんのマンションの入り口。
吉井さんの部屋は、うしろの建物の最上階だ。 →
「午後は夕方まで仕事です」という吉井さんの邪魔をしているわけにはいかない。章くんは買い物とマッサージに出ることにしたのだが、「午後5時から、タイ語教室があります。章さんも一緒にどうですか」という吉井さんに、「飛び入りでもいいのですか」。「ええ、僕がマンションの管理室の女の子に個人的に教えてもらっているのですから、一向に差し支えありません」と言ってもらって、願ったり叶ったりのタイ語教室を受講させてもらうことになった。
5時まで、町をぶらついた。孫の寧音の土産に、ジムトンプソンの店へ行き、象のカバンを買った。寧音は気に入ってくれてどこへ行くにも「ハンカチとティッシュとお菓子」をその中に入れて持ち歩いている。一緒にキーホルダーを買ってきたが、これは幼稚園のカバンに付けて友だちに自慢していたら、「そんなものを持ってきてはいけません」

と先生に叱られたらしい。
ついでに、ヤスヱの象さんカバンももう一度探したのだが、やっぱり布製の袋ぐらいのものしかない。
町で見かけたポスター。あとで、タイ語の先生に
聞いたところ、ナントカ言うタイの女優らしい。
タイ美人とは、こういう顔立ちなのだ。【拡大】→
← パッポン通りの夕方。夜の出店のために、
屋台を組み立てている。
夜中にはまた解体して、昼は車の通る
道路となる。【拡大】
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↑ 街角にたたずむアフリカ人の親子。
ママがとてもカラフルだ。 【拡大】
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章くん、娘の美砂子にも何か買っていかなきゃと思い、あれこれ考えて、「キングズイエローのポロシャツ」にすることにした。
町のショップを歩くと、いろいろなところで売っている。値段もいろいろだ。屋台に並んでいるのは200Bt。それを章くんは「100Btにまけろ」と言って、「ダメッ」と断わられた。昼間は、屋台も強気だ。
250…277…290…など、店によって値段はいろいろだ。章くんはワトソンビルの1階のさまざまなシャツを置いている店で購入…。350Btだった。
← ショッピングセンターへ入っていく女子高生。
キングズイエローのポロシャツを着ている。
午後5時になった。吉井さんのマンションに戻って、タイ語教室のレクチュアーを受けた。教えてくれるのは
チョ〜さんというマンションの管理室の女の子で、大卒、英語ペラペラの才媛だ。
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↑ こりゃぁ吉井さん、続くはずだぁ |
ええっと、何を教えてもらったかと言うと、
これ…ni、あれ…nan、それ…noon、
〜ですは pen(you,kumnなど)だから、
「これは本(nans)です」というのは
「ni pen nans」となる。
そのほかに「美しい」は「コンソワイ」と言う…を教えてもらってきた。
「あなた」は「クン」だから、「あなたは美しい」は「クン コンソワイ」だ(ろう)。
今晩、使ってみるか。
← 吉井さんのマンションからの風景。
下のプールは、マンションの付属。
子供たちは 敷地内の塀の中で遊んでいる ↓

6時30分、連れ立って食事に出た。でも、今日は繁華街とは反対の方向…、表通りから1本入ると、値段は半額だ。
「シーロムプラザ」と記された一角に、飲食店がひしめいている。
その中の、一番明るい店に入った。席は冷房の効いた店内とテラス席とがある。バンコクに慣れてきた章くん、今夜はテラス席を選んだ。
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アヒルや豚肉は、この調理台の上に
並べられていて、注文するとこの女の
子が切り分けて、即座に出してくれる。
【拡大】 |
ここは、バンコクの地元の人たちが集まる店、
出てきたメニューを見て、頼んだものは、
ワカメと豆腐のスープ … 70Bt.
水餃子 … 120Bt.
豚の耳と豆腐揚げ … 180Bt.
野菜と貝柱の炊き合わせ … 140Bt.
バジルの葉と鶏肉の炒め物… 130Bt.
「プ・パッポン・カリー ある?」と聞くと、女の子が「あれは高いからやめたほうがいい」という。「幾らだ?」とさらに聞くと、1杯のカニを持ってきて目方を量り、「これで420Btだ」と言う。
「19000Btでなきゃいい」と頼んだところ、他店のいずれにも劣らず、結構美味しかった。それが美味し

かったので、カエルを食べようとなったときに、カレー味に仕立ててほしいと頼んだ。女の子は、厨房と相談してきたのか、「メニューには「カエルの煮物」は180Btと書いてあるが、カレー味に仕上げると200Btになる」とわざわざ断わりに来る良心さだ。あとでゴネそうな奴らだと思ったのだろうか。
← 右がプ・パッポン・カリー、左がカエル・カリー
↑客が呼ばないと、女の子たちは
客用の席に座って雑談している。
でも、この子たちはよく働く。
スーブの椀が空になっていると
注ぎに来てくれるし、空になった
皿はすぐに引いていく。
テラス席は、この2人の女の子が、すべての切り盛りをしている。
頼みすぎたぁ、半分ぐらいも残してしまった。これで1300Bt少々…。女の子たちのサービスの良さに、1400Bt置いて帰ってきた。チップが少ないって…。
「タニヤの飲み屋に、ボトルが入れてありますから、行ってみませんか」という吉井さんの誘いに、章くんの否はない。
中国系の人が多いタイの町には、春節(旧正月)を迎えるための飾り付けが目に付く。春節は中国の人たちにとっては最大の年中行事で、普段は遠くに離れている家族もこの日には実家に帰り、一家や一族が集まって結束を確かめ合うという。

中華系の企業は、年末年始の休みという意味で、1週間ぐらいの休暇を設けている。バンコク市民の多くは、今、ボーナスを懐にして、身も心も温かいようだ。
春節の飾り。特に今年は、600年に1度の黄金の豚年に
当たるらしい。この年に生まれた赤ちゃんは、風水では富貴
の相があり、巨万の富を手にすると言われているとのことだ
から、中国・韓国ではベビーブームが到来するだろう。 →
「ん、正月かぁ」、章くんもそろそろ帰国どきか。右足の痛みにちょっと里心を刺激されたのだろうか、「明日、いつの便が空いているか、JALに電話で聞いてみようか」と考えたりしている。
しかし、見上げると、タニヤのネオン…。「ヤスヱから預かった5万円も、ほとんど手付かずに残っているしなぁ」。章くんを誘う、バンコクの夜は深い。
このあたりで いちおう 完
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