水郷古鎮 「周荘」の朝
飯田 章のホームページ 雑記帳





  
-上海・蘇州・無錫・周荘・甪直-
  
2009.09.21-24


    
その1          


 7月末、ネットで「上海4日間 19500円」というツアーを見つけました。しかも、9月21日…5連休シルバーウイークの真っ只中の出発です。日本にいるよりも安いじゃないかと、直ぐに申し込みました。


  【写真にカーソルを当てたとき、手の形に変わったら、
   大きい写真にリンクしています】


 9月21日(月) 出発   


← 午後1時50分発の中部東方航空MU530便に乗って、上海に向かいます。


 搭乗手続きが終わってから、天ぷらうどんを食べました。
 「中国の飛行機には二度と乗らんぞ」と固く誓った章くんでしたが(タイ・ゴルフ紀行2006 その⑤ 参照)、その決意はツアー代金の安さの前に、あえなく吹き飛んしまったようです。
 

 定刻、13時50分に飛び立ちました。水平飛行に入ってまもなく、機内食が出ました。
 

 午後4時15分(上海時間午後3時15分、以後は上海時間で表示します)、予定通り「上海浦東国際空港(しゃんはいぷどんこくさいくうこう)」に着きました。中国の飛行機も、やれば出来るじゃないか!
 とにかく広い…。この空港は全長4,000メートル、幅60メートルのオープンパラレル滑走路3本を有する、24時間全天候型国際空港です。
 空港から上海市内までは、世界初の高速磁気浮上鉄道(モノレール)を利用すると7分20秒で到達します。
 ちなみに、この空港は1997年10月に着工、2年の歳月と建設費は16.7億ドルをかけて、1999年10月1日に開港しましたが、建設費用は全額が日本(アジア開発銀行)からの円借款でした。
 
 
← 珍しい(ン…、中国では珍しくは無いのか?)沖止め到着で、雨模様の中、乗客はシャトルバスでターミナルへ向いました。
 到着後、「検疫官がまだ到着していませんので、しばらく機内でそのままお待ちください」と足留めされたのも、中国らしいかな。


     入国審査 →


 ターミナルも、とにかく広い。今まで、どこの空港でも、これほどたくさんの入国審査の窓口を揃えているところを見たことがない。来年の上海万博を控えているからでしょうか、次々と審査をこなしていき、全く待たなくてよかったです。


荷物を引き取り、待っていてくれた旅行会社の添乗員(唐さん)の案内で、バスに乗り込んだのが3時20分! これから、今夜の宿泊地「周荘」へ向います。
 「どれぐらいかかるの?」と聞くと、「およそ2時間半…以上です」と大陸人らしい答が返ってきました。


← バスの車窓から見た、空港ターミナルビルです。


      この日から4日間、バスを運転してくれた運ちゃん →


 この運ちゃん、小刻みにきつい目のブレーキを踏みます。運転が荒っぽいのかなと思っていたのですが、上海では車間距離を空けていたら次々と割り込まれて、前に進めないのです。
 中国の…かどうかはわからないけれど、少なくとも上海の運転に、『譲り合いの精神』などというものは存在しません。交通ルールもあって無きが如くのようなもので、信号無視、スピードオーバーなどは当たり前で、パトカーも知らん顔…。
 ビックリしたのは対向車線を当然の如く走っていく車です。前から来る車もまた当然の如くそれを避けて路肩を走ってきました。
 ガイドの唐さんが、「上海で運転するには、交通ルールと技術と、そして多少の勇気が必要」と言っていました(笑)。
 蛇足ながら、中国での交通事故は日常茶飯事で、事故を起こした運転手は大声で自分の正当性と相手の落ち度を叫びながら、車を降りていくのだそうです。どんなに自分が悪くても、認めたら負け…。日本人にはそれだけの気力は無い…のかも知れませんが、国際舞台で活躍するためには、必要不可欠な条件なのでしょうね。

← バスの窓からパチリ


 上海近郊の道路の左右には、おびただしい数のマンション群が立ち並んでいました。
 右を向いても、左を見ても、マンション群なんです。そして、まだまだ至るところで建設しているんです。
 上海の流動人口は1800万人だとか。それだけの人々を収容するのですから、住居の数もたくさん必要ですよね。


 (このあとしばらく、周荘へ向かうバスの、雨に濡れた窓ガラス越しに撮った写真が続きます。
  暗くなってもきますし、見にくくて申し訳ありません。) 

 
         
 4階建てに交差している高速道路 →


 ガイドの唐さんが、ここ30年、中国政府は道路の建設に力を傾注してきたといっていました。確かに、上海を中心とする交通網は、素晴らしく発達しています。
 でも、それ以上に車の数が増え続けているのでしょうか。章くんたちの旅の途中でも、上海市内の至るところで交通渋滞に巻き込まれました。


 来年の万博を控えて、上海周辺では、あそこでもここでも工事が進められています。

つくりかけの高速道路 高速道路の橋梁工事らしい マンション工事
















 

 マンションも、日本のように1棟ずつ建てて、売れたら次を建てるなんて、そんなセコイことはしません。10棟ぐらいを、まとめてデ~ンと建てています。


 道路沿いには、会社や政府の大看板が立ち並んでいます。


← この看板は軍の宣伝らしい


 わが祖国を愛する若者よ、国家と党を守り、夷敵を殲滅する「人民解放軍」に来たれ…とでも書いてあるのかな?
 
 


 夕刻…、車が多くなってきました。市内から出るとき、やはり渋滞につかまりました。


       道路の向こうに並ぶ柱は、
         ゴルフの打ちっぱなし練習場です。 →



 このあとも、数箇所で練習場を見ましたから、中国でもゴルフをする人は増えているということですね。
 上海周辺のゴルフ事情をちょっと調べてきました。上海市内と郊外には20箇所ほどのゴルフ場があります。タクシーで1時間半~2時間足を伸ばすならば、蘇州、杭州などにはやはり20箇所ほどゴルフ場が造られてきています。
 プレーフィーはピンキリですが、ビジターの平均で平日8000円、週末は14000円ほどですから、昨今の日本と同じぐらいでしょうか。でも、1バッグにひとりずつのキャディがつきます。
 日本人の平均収入31万円に比べて、中国人(北京・上海)の平均収入は4万円ぐらい。ただ、北京や上海では、富裕層(金持ち)は先進国の富裕層と大差ない収入を得ていますが、低賃金で働く労働者の数が極めて多く、一般労働者だけの平均賃金といえば、これよりもかなり低額となります。だから、中国の一般の人たちからみれば、ゴルフはまだまだ高価な遊びということになりますね。


← 上海近郊の有料道路の料金所。レーンの数がすごいです。


 上海では、今は自転車(電動自転車も多い)とオートバイがたくさん走っていて、朝夕のラッシュのときなどは、どこからか涌いてきたのかというぐらい道路に溢れます。
 でも、中国にも、もうすぐ車社会が到来することでしょうね。そうなれば人口が多い分だけものすごい数の車が、ののしりあいながら(笑)走り回るということですね。


 もうひとつ興味深かったのは、有料道路の料金所付近の道端には、どこでも大きな荷物を下げた男女が何人か立っていたこと。
 はじめは、何かを売っているのかと思ったのですが、店を広げている様子もないし…と考えていて、ハタと思いついたのがヒッチハイカー! 彼らは、車がスピードを緩める料金所の付近の道端に座り込んで、乗せてくれる車をひたすら待っているのだと思います。
 それにしても、有料道路に入り込んで叱られないのでしょうか? そこが大陸的なのでしょうね。


                 料金徴収係りの女の子 →


 当然ですが、男の子もいました。排ガス規制もない中国ですが、マスクもせずに頑張っています。


 午後6時57分、周荘の町に着きました。上海空港から、ちょうど2時間30分です。


← 町の入り口には城門があり、ライトアップして旅人を迎えてくれます。


   
今夜のお宿
   「周荘賓館」 →



 唐さんの話では、「はっきり言って、あまりいいホテルではないです」とのことですが、激安ツアーだから仕方が無いですね(苦笑)。


←でも、ロビーにあったこの木彫りの龍は、ホント…見事でしたよ!


 食事は円卓の中華料理…。安いツアーだから、文句は言えない味でした。
 食事のあとは、8時30分から、周荘水郷のライトアップ鑑賞に出かけます。1000年の歴史を持つという、中国江南の水郷古鎮…、楽しみの散策です。


  
その2 水郷古鎮「周荘」  物見遊山トッブへ