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プロローグ 奈良万灯会
それにしても暑い…。7月末から、近畿地方の気温はすでに25日間連続で30℃を越えたと、テレビのニュースが伝えている。
昼間の暑さがようやく収まりかけた午後6時30分、奈良飛火野の公園広場に並べられた、数千個の露地灯籠に灯が点された。盂蘭盆会に里帰りして追善の供養を受けた精霊をふたたび黄泉の国へと送る、古都の夏の風物詩「奈良万灯会」のオープニングである。
「涼しいところで、ゴルフしたいなぁ」。2月に10年少々やっていたスナックを閉めてから、ゴルフぐらいしかすることがない奈津子(美鈴CC、HD12)が、送り火を見遣りながら言う。
「この時期のゴルフならば、カナダのロッキーがいいよなぁ。景観は素晴らしいし、ゴルフ場は美しいし、何と言っても涼しい…。ぜひ、もう一度行ってみたいところだよ」。6年前の記憶をたどりながら、そう答える章くんも、結構ヒマだということか。
横を歩いている昭ちゃん(白山CC、HD9)に「どうや?」と言うと、「ちょっと返事は待って」とヒビッたので、『おっ、奈津子と2人旅かな…』とほくそ笑んだのだが、そうはさせじと思ったのか、翌日「なんとか、都合つけます」と電話してきた。
第1日 関西国際空港 〜 バンクーバー(乗り換え) 〜 カルガリー 〜 キャンモア
関西国際空港までは、章くんの車で行く。昼過ぎ、昭ちゃんを乗せ、そのあと津駅へ回って鈴鹿から電車で来る奈津子を拾った。ここから約2時間、カナダへの抱負を乗せての快走だ。
午後3時、関西空港に到着。いつもの駐車屋さんに車を預けて、搭乗カウンターへ…。先日イギリスで、アメリカ行きの複数の旅客機を、機内に持ち込んだ液体を爆破させて墜落させるという大規模テロ計画が発覚して24人が逮捕されたため、アメリカやイギリスに向かう便は、手荷物検査が厳しいと聞いた。
章くんたちはバンクーバーを経由してカルガリーへ行く「
エ
ア・カナダ(AC)」便だから、検査はいつもと同じ。昨夜午前2時、荷物を詰めながら関空に問い合わせの電話を入れたところ、「カナダ行きは手荷物制限の文書は回ってきていません」という答え。関空の電話は24時間受け付けていることも知った。
なぜ家から1時間弱の中部国際空港へ行かずに、3時間をを要する関空から飛ぶのかというとエア・カナダを使うからである。中部国際空港からエア・カナダ便は発着していない。
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カルガリー空港 |
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カルガリー空港ロビー
恐竜がいるよ |
ではなぜ格安の「ユナイテッド(カルガリー往復87000円)」などを使わずに「エア・カナダ(同107000円)」を使うのかというと、帰りのカルガリー発がエア・カナダは10時00分だけれど、ユナイテッドなどは早朝の6時30分だからだ。
それに乗るためには4時30分頃に空港へ入らねばならない。レンタカーを返したりするのが、深夜の作業になってしまうことも避けたかったのである。
ところが、後に決まったカナダ最終日の宿が、カルガリー空港内のホテルだったので、レンタカーは前日の夜に返却、当日の朝は何時のフライトでもOKということになって、深謀遠慮は無に帰するのだが…。
まぁ、イギリスでのテロが起こった直後で、アメリカ国内での乗り換えは厳重な検査があるというから、エア・カナダ利用は正解だったということにしておこう。
関西空港発17時50分。フライト時間9時間30分でバンクーバーに到着。ここで1時間35分待って乗り換え、さ
らに約1時間、現地時間15時20分に
カルガリー空港に着いた。章くん、6年ぶりのカナダである。
気温22℃、猛暑の日本から来た身にはひときわ涼しい。
レンタカーを借り出して、レッツゴー。カルガリーの町を抜けるのに約1時間。ここから今日の宿泊予定地キャンモアまではおよそ100Km。郊外へ出ると信号も何にもない
カナディアン・ハイウエイ…、もちろん無料、1時間少々の行程である。
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行く手に峰々が姿を現す |
カナダの景色はデッカイ…、どこまでも続く道を快調にぶっ飛ばしていくこと40分…、行く手にカナディアン・ロッキーの峰々が姿を現した。
← やがてカナディアンロッキーの山懐に入り、すぐに左に
ローヒード山(3100m)が見えた。
この山は山塊も大きく堂々としているが、車からは真左を見ないと見逃してしまう。
海底から隆起した高地を氷河が削り取って造ったカナディアン・ロッキーの峰々…。様々な形の山頂、鋭く切り立った山肌など、その景観の素晴らしさに、奈津子も昭ちゃんも「うわぁ、何これぇ〜!」「こんな山、日本にはありませんねぇ!」と感嘆詞を連発している。
さらに10分も走ると、峰の連なりが18Kmにも及ぶ
ランドル山が目の前に立ちはだかる。
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キャンモアは、この山のふもとに開ける町だから、もう間もなくだ。
キャンモアは人口1万1千人、観光客は年間500万人(夏に80%)が来訪する。北緯52度(樺太北部と一緒ぐらい)に位置し、高度は1300m。夏の気温は最高27℃、最低5℃ほど。夏場は朝5時には明るく、夜の10時まではゴルフができるが、反対に12月は朝8時過ぎまで暗く、4時には陽がかげる。
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キャンモアの象徴
スリーシスターズ・マウンテン
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国立公園の指定地域から外れているキャンモアは、公園内にあるバンフやジャスパーなどの町に比べると規制もゆるく、さまざまな開発が進められている。バンフで観光客相手の商売をしている人も、住まいは車で20分ほどのここキャンモアにあるという人が多いというが、その割りに人口は増えていない。需要が多いので、住宅の代金が高いのが原因などといった指摘もある。広〜いカナダ、土地代の高い町に住むこたぁないものね。
住んでいる人の話では、地域コミュニティもしっかりしていて、町の規則も結構うるさいし、ゴミを捨てたりすると叱られると言うが、それもカナディアン・ロッキーの自然を守っていこうとする人々の意気込みなのだろう。
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キャンモアの繁華街、夜10時、
あたりは明るいけど、寒い。
【拡大】
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今夜の宿は「フォアポインツ・シェラトン・キャンモア」。バンフ国立公園の入口に位置し、周りを取り巻いているカナディアン・ロッキーの名峰を一望にできる、瀟洒なホテルである。
ホテル内のレストラン「レンゾズ」で食事を済ませ、午後10時、まだ空に明かりの残る街を歩いてみた。
キャンモアは小さな町…、メインストリートも15分も歩けば向こうの端へ抜けてしまう。お店やさんは既にほとんどが閉まっていて、わずかにレストランらしい店に客が集まっていた。
第2日 カナナスキスGC
(Kananaskis Country Golf
Course)
ホテルの部屋の窓から見える風景は、360度、カナディアン・ロッキーである。それにしても寒い。午前6時、外の気温は6℃だ。
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カナナスキスリゾート。中央にある
のが、G8会場となったロッジ。
(パンフレットより) |
今日は「
カナナスキスGC」でゴルフ。スタートは8時10分。キャンモアからは、1号線をカルガリー方面へ3Kmほど戻り、右折して15Km。20分ほどだ。
章くんは、ここカナナスキスへ2000年にも立ち寄ってプレーしているが、何といっても、その名が世界に知られるようになったのは、2002年G8首脳会議の会場となってからだろう。ロッジには小泉首相の

写真も飾られていることだろうけれど、残念…今回はここでの宿泊の予定はない。
カナナスキスの入り口の
大看板 →
横文字のところで、大人の
背丈よりもはるかに高い。
今日も前回と同じく「
キッドコース」から、ブルーティ使用。6573Y、パー72、レートは70.5。ちょっと短くて楽チンなカンジだけれど、でも6年前には「87」を叩いている。何とか前回のスコアを上回りたいところだが、章くん、このところ確実に実力は落ちている。目標を「90が切れるか」とするのが妥当か…。
1番439Y、打ち下ろし右ドッグレッグのパーC。前回は、ティショットがほとんど空振りのようなチョロ…。セカンドを直ぐ前のレギュラーティから4アイアンで打ったのを覚えている。
今日のティショットはややトップ気味ながら、フェアウエイに転がった。セカンドの残りは170Y、5番アイアンでわずかに右へ外し3オン、しかし1パットのパー。上手くなってるじゃないか…!
2番(578YD)・
3番(391YC)、ボギー、
4番(182YB)、パー、
5番(324YC)、ボギー、
6番(515YD)、パー。
7番(384YC)で気づいたのだか、前回はやはりフルバックから回っている。7番のフルバックのティグラウンドからは川を越えてティショットを打っていくのだが、前回、章くんたちはそのティグラウンドを見逃して川を渡ってしまい、見つけたティグラウンドが違っていたので、また橋を渡って戻った記憶がある。今日のブルーティは、川を渡ったところのティグラウンドにあった。

と、分かれば、前回よりもスコアが良くて当たり前…。しかし、その7番で3オン3パットしてダボ。
8番(142YB)、何ということもないショートホールでボギー。
9番(378YC)もボギーで、アウトは7オーバーの「43」.前回の成績を上回れるかどうかは微妙だ。
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インは丁寧に回ってみた。アウトよりも距離が短いから、ティショットでフェアウエイを外さずにいけば、セカンドはほとんどがショートアイアンで打てるはずだ。
10番(392YC)、170ほど残ってしまったセカンドを5アイアンでショートしてボギー。セカンドはみんなショートアイアンなんて、失礼なことを言ってしまったようである。
11番(342YC)・
12番(167YB)パー。
13番(375YC)、7Iのセカンドが乗らずボギー。
14番(491YD)、パー。
15番(372YC)、ボギー。
16番(164YB)、手前のピンに7アイアンで打ったティショットが4mについて1パットのバーディ。
ところが
17番(361YC)は3パットのボギー。

18番(576YD)、3打目をダフって4オン、それを入れにいって、またまた3パットのダブルボギー。
バーディ1つ、3パット2ホールの4ボギー、1ダブルボギーで5オーバーの「41」。アウトの43と合わせて、トータルは「84」。前回をクリアしているが、ティグラウンドが前からだから当然と言うべきか。
昭ちゃん、46・48の94。白マークからの奈津子は、50・49で99。二人とも、遠征ゴルフの難しさに戸惑っている。
お昼を食べる前にスタート小屋へ行って、「あと1ラウンド、ロレッティコースへ行きたいのだが…」と頼むと、「OK、1時40分に…」。1時間10分ほどの休憩だ。
「
ロレッティコース」は、前回「88」を叩いている。6641Y、
午前の「キッドコース」よりも、68Y長い。コースレート72.1。
1番(397YC)、右はずっとクリークが走り、左も手前はクリーク、第2打地点の先にも池が見えている。
「キッドコース」よりもはるかに手強い。たった68Y長いだけで、コースレートが1.6も違うのは、このレイアウトのせいか。章くん、170Yを残したセカンドを5アイアンがトップ気味で届かず、3オン2パット、ボギー。
2番(381YC)も3オンのボギー。
3番(376YC)、グリーンエッジからパターで寄せて、やっとパーが来た。
4番(219YB)、3アイアンで届かずボ

ギー。
5番(502YD)、フェアウエイ左とグリーンを取り巻いてクリークが絡むパー5。100Y残ったサードショットは左のバンカーへ捕まり、ここからホームランすると向こうのクリークに入ってしまう。ヒビッた章くんのバンカーショットは大ダフリで、エッジの傾斜からまたバンカーに戻ってきてしまった。5オン2パットでダボ。
章くんがダボを打つと、昭ちゃんの眼がキラリと光る。昭ちゃんは章くんに、グロス勝ちするのがゴルフ三大目標の一つなのだ。
昭ちゃんはハンディ9、章くんは以前は5だったけれど、最近は飛距離も落ちてきてJGAハンディは14になった。

章くんは昭ちゃんの『9』を馬鹿にしている。「実力もないのに、昔の瞬間最大風速のときに取ったハンディに、いつまでしがみついてるンだ」と手厳しい。
今はスクラッチで対戦するのだが、昭ちゃんは章くんに1年に1回ほど勝つことがある。その1回を昭ちゃんはよく覚えていて、「○月○日○○カントリーで、章さんに勝った」と、ゴルフ仲間や行きつけのスナックの女の子相手に吹きまくる。残り10回の負けは言わない。
6番(174YB)、5番のダボを引き摺っていて乗らない、ボギー。
7番(439YC)、ティショットを左の林に入れて出すだけ。3打目のアプローチもダフってしまって、4オン2パットのダボ。流れが悪くなってきた。
8番(374YC)、グリーンの端っこに乗り3パットでボギー

。
9番(522YD)、左側を流れているクリークが、350Yほどのところでフェアウエイに入り込んできている、左ドッグレッグの難しいパー5だ。ティショットは210Yほど…、なんか当りが悪くなってきている。クリークを越えるには160Yのキャリーが必要だ。章くんは得意の4アイアンを一閃、ボールはグリーンから130Yほどのフェアウエイに転がった。9Iのサードショット…、ところが9Iでもグリーンが捉えられずエッジへ…。渾身のアプローチを試みて2mへ付け、懸命のパットをねじ込んでやっとパー。
このハーフ、パーが2つで5ボギー2ダボの9オーバー、45。ちょっと
スコアメイクににこだわりすぎているかな。
そのままインへ入って、
10番(392YC)、2オンならずにボギー。『ボギーはいい、ダボを叩かなければ』と思い直したら、
11番(475YD)、3オン2パット、
12番(371YC)、1パット、
13番(369YC)、8Iでナイスオンと3連続のパー。
14番(506YD)、アプローチをダフってボギー。
15番(165YB)も6Iでグリーンを外してのでボギー。
16番(367YC)、9Iで2オンのパー、
17番(158YB)、7Iで5mに乗せるも、3パットしてボギー。

積極的なパットだったから納得だ。
18番(427YC)、ドライバーをフェアウエイ左へ打った章くんの残りは210Y。3アイアンか、バッフィかと、ちょっと迷ったけれど、グリーン手前のクリークをまず超えることを第一に考えて、キャリーが出るだろうからとバッフィを持った。
「ビシュッ…!」、勝負の一撃は、章くんがフェアウエイウッドでよくやるドップ球。低く出たボールは150ヤード先のフェアウエイに落ちて転がり、やがてクリークに姿を消した。6年前と、全く同じじゃないか!
あの時、午後8時になろうかという時刻…。迫り来る夕闇の中で、かすかに見えるグリーンに向かって打った章くんのバッフィのセカンドショットは、トップボールで、フェアウエイを転がってフッと姿を消した。行ってみると、清冽な流れの中に真っ白いボールがひとつ…。 歴史は繰り返すということか。
4オン2パットのダボで42、トータル87…。ン、6年前の88より進歩しているじゃないか、1ストローク…。あの頃はバリバリのハンディ5、それより良いということは…などと言っていたら、「ハンディ5が88を打ったのがハジなんじゃない」という声が聞こえてきた。

その奈津子、49・53=102と苦戦している。慣れないカナダのゴルフに、ペースがつかめないのだ。昭ちゃんも48・46だから、こちらも94ともうひとつパッとしない。
カナダの芝生は日本のものよりも柔らかく、ボールは微妙に沈んでいる。横から払い打っていては、ナイスショットは望めない。しっかりとボールを捕らえる、ダウンブローが必要なのだ。もっとも、カナダに限らずゴルフスイングは、ティアップしてある場合を除いて、ダウンブローに打たなくては打てないはずだと、章くんは考えているが…。
と、二人のスイングを解説しながら章くん、『18番のトップはそれだったのか』と思い当たった。フェアウエイにあるボールは、スプーンだろうがバッフィだろうが、アイアンと同じにターフを取るように打たなくてはいけないのに、ソールの厚さに頼って滑らせるように打っている。日本のように硬い芝生の上に浮いていればそれでも打てるだろうけれど、カナダではトップ球になってしまう。6年前と同じ過ちをしている…、ちっとも進歩してないじゃないか。
その章くんに昭ちゃんは、「キッド、ロレッティとも勝てなかったなぁ」と口惜しがる。「ン?、グロス勝ちしようなんて、昭ちゃん、46億年早いんじゃないか」と、章くんはあと2回のカナダ戦の伏線か、またまたプレッシャーをかける。
36ホールを終了したのが、5時前。「食事にするには早すぎるし…」と言っていたら、旅行書を見ていた奈津子が「近くに
グラッシーレイクってのがあるよ。透明度のスゴイ湖で、神秘的だって書いてある。キャンモアから1時間もあれば十分らしいから、行ってみない」と言い出した。
日が暮れるまでには、まだ4〜5時間ある。行けるところまで行ってみようかと、ハンバーグをかじり、地図を見ながら、742号線(Smith Dorrien Spray Trail)を西へ走った。
← 途中、キャンモアの町を流れるボウ川から見た
ランドル山。ノコギリの歯のような峰が、バンフ
まで15Km、ずーっと続いている。
川端の遊歩道の碑には、「日本国北海道上川郡東川町とカナダ国アルバータ州ケンモア町は姉妹町として友好関係を樹立。それを記念してこの自然散策路を『ひがしかわ友好自然歩道』と名づける」と書いてあった。
10分ほどで駐車場(ここがトレイル起点)に着いた。ここから片道1.75Km、高度差250mとある、およそ35分というところか。「今頃から行く人は、いるのかなぁ」「夕方は、熊が出るンじゃぁないか」と章くんと昭ちゃんはちょっとヒビッているけれど、「ほれッ、行くよ。ぐずぐずしない」と奈津子にしりを叩かれて歩き出した。
あとで聞いたところによると、ハイキングのコースには「この先

、熊が出るので、ここからは6人以上で行動せよ」などの標識を掲げているところが多くて、無視したり知らずに行って国立公園監視員に見つかると、最大2000カナダj(約20万円)の罰金を徴られることがあるとか。監視員に見つからなくて20万円儲かったというべきか、熊に出会わなくて命拾いしたというべきか…。
途中で出会った鹿の親子 →

途中、ちょっと急な登りの箇所もあったりするけれども、道は歩きやすく整備されていて、それほど大変ではない。道中に滝があったり、山々の眺望や町を見下ろす景色も素晴らしい。
途中で見かけた滝 →
町からちょっと足を伸ばしただけで、こんなに素晴らしい眺望と自然に出会うことができるのが、カナディアン・ロッキーの魅力なのだろう。
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底まで透き通った美しい湖水だ |
やがて目の前に湖が見えてきた。カナディアン・ロッキーの湖は氷河が溶けて流れ込んだ水をたたえているところが多く、それらの湖は様々なものを溶かし込んでいるためにコバルトブルーやエメラルドグリーンと形容される、独特の色をしている。
でも、ここ
グラッシーレイクの水は湧水なので透明度が高く、水底までを見通すことが出来る。色が変わるのは光の関係だろうか。上池・下池とも、透明感のある深い緑色をした美しい湖であった。
神秘的な湖面の輝きに「夢みたいね」と、奈津子は瞳に星をちりばめて少女に返っている。
「早く帰ろ、熊 来るぞ」と昭ちゃんは現実的なことを言って、奈津子に叱られていた。
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トレイルの途中からスリーシスターズと、そのふもとに
キャンモアの町が見える。このあたりは町の人々と犬の、
毎日の散歩道だということだ。 【拡大】
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トレイルヘッドから湖までは、グリズリーベアにさえ出会わなければ、ゆっくり歩いても1時間ほどで行き着くファミリーハイキングコースである。ゴルフ2ラウンドのあとは、少々きついけれど…。
キャンモアに戻って食事だ。繁華街の「
フランシス」とかいうレストランに入り、ロブスター、アルバータビーフとパスタ、パン、ドリンクを頼んで、またまた3人で食べきれず、お腹いっぱい。
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