バンコク・ゴルフ紀行 2009 その2

   


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3月14日(土) サイアムCC プランテーションコース

 目覚まし時計が鳴っている。うっ、もう7時か…。顔を洗い、朝食に向かった。
 チャオプラヤ川を望むオープンテラス「ベランダ」に、これは…というほどの食材が並べられている。
 
 
← 卵焼きや焼肉な
 どは、ここで注文
 すればいい。



  章くんのメインディッシュは
        フルーツだ →


   タイのフルーツはホントにおいしい。燦々と照りつける太陽の光が、
  果物の味を育てるのだろう。


 午前8時20分、ゴルフの用意をしてロビーへ降りていくと、程なく奥ちゃんの顔が見えた。約1年ぶりの再会、この冬の4ヶ月をタイで過ごした奥ちゃんは、もうすっかりタイ人と言っても通用するくらい日に焼けている。
 早速、タクシーにキャディバッグを積み込んで、サイアムCCへ…。バンコクの朝の混雑は相変わらずだが、市内から外へ向かうのは渋滞もそれほどでなく、高速道路に乗ってしまうとスイスイと走る。タイのタクシーの運ちゃんは速い。ハイウエイをぶっ飛ばして、1時間40分ぐらいかいう予定のところを、1時間20分ほどで着いてしまった。
 タクシーの運転手は「帰りを待っている」と言っていたが、奥ちゃんは「要らん、帰れ」と追い返してしまった。あまりにぶっ飛ばす運転に、気分が悪くなったのだろうか。
 
 
 フロントへ申し込みに行くと、「早く着いたね。すぐにスタートできるよ」と言ってもらったけれど、章くん、練習しなくてはいけないし、靴も買わなくてはいけない。

 まずは、靴…。プロショップ
 は品数豊富だが、ゴルフ用品
 の値段は国際価格だ    →

← 練習場は400ヤード超の
 広大なもの。芝の上から打つ。
 章くん、近年打ったことのない100発ほどもの
 練習をみっちり…。疲れたぁ(笑)。

  

  
1番ティグラウンド後ろの茶店
 ここサイアムCCプランテーションコースでは、2週間ほど前に、LPGA公式戦ホンダLPGAタイランド2009が開催された。Pクリーマーに3打差をつけられて最終日を迎えたLオチョワが、最終日66(71・69・68・66=274、−14)で逆転優勝を飾っている。
 昨年5月の開場以来、訪れたゴルファーのほとんどが、その美しい景色と完璧なコースコンディションに感激するものの、ラウンド後は「もう2度と来たくない」ともらす程のタフなコースだという評判だが、優勝スコア−14はさすがに世界のトップ女子プロたちである。


 「スタートだよ」と呼びに来てくれて、1番のティグラウンドへ向かった。このサイアムプランテーションはABCのコース(各9ホール)があるが、今日のラウンドはB→Cコース。青・白・黄・赤とあるティマークのうち、白マークを使用する。
 B1番382Yパー4、章くん、4ヶ月ぶりのティショットだ。ちょっと緊張の第1発目…、いつもの通りのゆっくりしたバックスゥイングから、一気にドライバーを振り下ろすと、ナント…空振りしてしまった。
 奥ちゃんも「アレッ!」という顔をしている。まさか空振りだとは思っていないのだろう。章くんが「ありゃ、空振りや」と苦笑すると、「エッ!」と驚いた表情をした。

 気を取り直して打った第2打目はややスライスして、右のフェアウエイバンカーの縁に止まった。残りは180ヤード。4番アイアンでショート、アプローチを5mに乗せ、2パットでダボスタートだ。

← B1番、グリーンを狙うセカンド地点

 続く2番571Yパー5は、ティショットをチョロで5オン2パットのダボ…。ダボが続く。



 3番206Yパー3、2オン2パットのボギー。4番556Yパー5は5オン1パットでやっとボギー。5番362Yパー4でアプローチをパターで寄せてパーが来たものの、6番ではまたダボ…。
 結局、Bコースは2パー4ボギー3ダボの46だ。
 
 
    奥ちゃんのセカンドを見守る セィちゃん →

 


 ターンしたのが午後1時30分になろうかという頃。暑い盛りだけれど、章くんは厚いのは平気だ。スタートの茶店で軽食を詰めた後、Cコースへと向かった。
 C1番375Yパー4、空振りしないように注意して一閃したドライバーから放たれた、章くんの当たりは、ややトップ気味の地を這うようなゴロで、200ヤードほど先のフェアウエイへ転がった。残り160ヤードほどのセカンドの当たりはやや薄くてグリーンの手前に落ち、3オン2パットでボギー。

 ティショットのカンジがちょっと戻ったこのハーフは2番537Yパー5が3オンしてパー。3番187Yパー3は乗らずのボギー。4番378Yパー4で3オンに3パットしてダボ。5番347Yパー4はパー。6番631Yパー5がボギーのあと、7番421Yでアプローチをダフってまたまたダボが来た。
 しかし、8番165Yパー3、6番アイアンのティショットは糸を引くようにピンへ向かって飛び、30センチにナイスオン。このホール、バーディだ。
 9番400Y、ダラダラとクラブハウスに向かって上っていくパー4だ。まずまずのティショットを打ったのに、まだ200Yほど残っている。3アイアンのセカンドショットは、グリーン右前のバンカーを避けて、左へ外した。アプローチは寄らず、3オン2パットのボギー。  【拡大】
 Cコースのトータルは、1バーディ、2パー、4ボギー、2ダブルボギーで43。トータルは46+43=89でタイ初戦を終了した。

 
 タイには珍しい起伏に飛んだコースで、「ホンダLPGAタイランド」のときに見たヘビーラフ、起伏に富んだグリーンと難しい条件が揃っていて、正直、100を叩くかもしれないと思っていたが、90を切って回ってこれたのは、「ていねいに…」と自分に言い聞かせて回ったことと、同伴の奥ちゃんの軽妙洒脱さ、キャディのセイちゃんの励ましがあったからだろう。
 
 
 シャワーに入って着替えたあと、食事…。レストランでコーラを飲み、タイラーメンとプーパッポンカリー&白飯をパクつきながら、「明日のレムチャパンもこの近くだね」と言うと、奥ちゃん、「タクシーでバンコクまで1時間半ほどかかるから、往復で3時間…。パタヤの夜も面白いよ。今夜はパタヤに泊まろう」と言い出した。
 「オイオイ、僕はオリエンタル・バンコクに泊まりに来ているのだし、今夜の予約も連泊で入れてある」と言ったけれど、「オリエンタルは明日と明後日の、あと2泊できるやないか」と奥ちゃんは笑っている。バンコクのタクシーの運ちゃんを帰してしまったのは、奥ちゃん、初めから今日はパタヤに泊まるつもりだったのだ(苦笑)。
 ということで、今夜のオリエンタル・バンコク706号室は、宿泊客不在の空室のままひと夜を明かすことになってしまった。そうと決まれば、パタヤで今夜の宿を探さなくてはならない。


 奥ちゃん、やってきたタクシーの運ちゃんに「※£☆♀$¥▼∞…」と告げている。案内してくれたのは、「アイサワン・リゾート&スパ」という、繁華街からはちょっと距離のある(と言っても車で5分ぐらいだが)北部エリアの、小奇麗なホテル…。「部屋、空いてる?」と飛び込んでいったのだが、200室ほどあるホテルだから大丈夫…と奥ちゃんが言うとおり、「2400バーツの部屋と2020バーツの部屋、どちらにする」と聞かれただけで、宿泊は即OK!

        この東屋のような建物でチェックインする →


 パタヤ繁華街まではシャトルバス(トラックの荷台に屋根をつけた、いわゆるソンテウ)が出ていて、ホテルの客は専用の無料パスをくれる。章くんたちは、夕食もしなければならないし、早速に街へと出かけた。
 ゴトゴトとトラックの荷台に揺られて10分足らず、東洋の歓楽街と名高いパタヤの繁華街へ到着した。まずはシーフードレストランとして知られている「ナン・ヌアル」へ…。店に入ると巨大な水槽や新鮮な魚を保存しているコーナーがあり、好みの素材を選んで好みの調理方法をオーダーする。

 章くん、先年の7万円のロブスターの一件があり、「値段は大丈夫か」と確かめながら、「カニとエビ、魚の丸焼きも食べたい。プ・パッポンカリーは外せない」と奥ちゃんに頼んで、注文してもらった。そりゃぁ面倒だという人は、写真入りのメニューブックもあるから、「これ」と指でさしてオーダーすればよい。

← 今日も頼んだ「プ・パッポン・カリー」


 お腹が一杯になったところで、ようやく暗くなったパタヤの街へ繰り出した。たくさんのオープンスナックやゴーゴーバー、カラオケ店が並んでいる。
 でも、タイへ来たなら、まずはタイ式マッサージ。2時間みっちりと揉みほぐしてもらった。
 ゴーゴーバーをのぞいてみる。半裸の20人ほどの女の子が、ステージの上で腰をくねらせて踊っている。入場料は要らず、飲み物をオーダーして(ドリンク代金が100〜200バーツ)踊りを見物し、気に入った女の子を見つけたらその番号を書いたカードをレセプションガールに渡すと席へ呼んでくれる。その子に飲み物をおごってお話し、気に入れば指名する(指名料500バーツほど)とずっと席についていてくれる。
 いい子がいなかったら、次から次へと店を替わることだ。パタヤはもともとベトナム戦争時にアメリカ兵の遊興地として開かれた歓楽街だから、ちょっと異質な女の子も多いと言う。日本人から見ればお化けかと思うけれど、彼らにとってはマドンナという場合も珍しくない。美意識とはそういうものだろう
 カラオケ店ものぞいてみた。タイのカラオケ店とは、日本のクラブみたいなもので、ホステスがたくさん揃っている。店に入っていくとママが出迎えてくれて、VIPルームに案内してくれた(ルーム使用料は500バーツ)。3人の女の子が付いてくれて、飲み物の世話やカラオケの選曲など一切をしてくれる。女の子は30分ほどで交代していくから、気に入った子がいたら指名すると、そのあとずーっと隣に座っていてくれる。
 章くん、1時間半ほどで、その店をあとにした。

 … その後は、実はよく覚えていない。

 翌朝、気がついたら、「アイサワン・リゾート」で爽やかな目覚めを迎えていた。

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