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3月16日(月) レガシーGC
5時45分、奥ちゃんが乗ったタクシーがオリエンタル・バンコクの玄関前に到着した。章くんのゴルフバッグに加えて、昨夜から預かっている奥ちゃんのバックも運んでもらって、ポーターくんにはチップを100Bt。タクシーのトランクに丁寧に入れてくれ、「Good
Lack」と見送ってくれた。
今日の「レガシーGC」までは約1時間の予定。タクシーはまだ夜の明けやらないバンコク市内をくぐりぬけ、高速道路を疾走する。

6時40分、レガシー到着。ようやく空が明るくなってきたが、これから朝食を取らなくてはならない。章くん、オリエンタル・バンコクの朝食は昨日も今日も食いはぐれている。
コースの見えるレストランに陣取って、朝からちょっと重いかとは思ったのだが、奥ちゃんは「まぁ、ゆっくり食べましょう」なんて言って、豚の耳…とかを頼んでいるから、章くんもパッタイ(タイ風焼きそば)とコーヒーを頼み、しっかりと食べてスタートだ。
「オリエンタルは朝の5時でも、ルームサービスを運んでくれるよ」と、後日に友人が教えてくれた。しかし、格安パック旅行常習者の章くんには、宿泊費に含まれている朝食を食べられないからといってルームサービスを頼むという発想はない(苦笑)。ただ、オリエンタルのルームサービスでも、例えばパッタイは460Btだから、このゴルフ場のレストランで食べるのと100Bt.ほどの違いしかない。いやしかし、ルームサービスは一品というわけにはいかず、他にスモークサーモンを頼めば640Bt、オリエンタル・モーニングセットは980Bt、それにチップも必要だから、やっぱりゴルフ場まで走ってきて朝食をパクつくのが、章くんには相応しいというところか。
朝食のあとパッティンググリーンで練習し、7時20分、キャディさんに呼ばれて1番ティに向かう。黒・金・青・白・赤と5面あるティグラウンドの、今日はゴールドティからのラウンドだ。

明るくなったコースを見て、びっくり仰天…。1番ホール
371Yパー4はティグラウンドからグリーンまで、右側が全部バンカーだ。「こりゃぁまた、ジャック・ニクラウスの設計じゃないのか」と言うと、奥ちゃんは「難コース好きの章くんのために、苦心のセッティングをしたンだ」と笑っている。
右側をずーっと 巨大なバンカーが
併走している →
← 1番ホールをグリーンから
振り返ると…。
このホール、バンカーを警戒しすぎて、第1打・第2打ともに左のラフに打ち込み3オン。しかも、いきなり3パットして、ダボのスタートだ。

2番、3番とボギー。4番ではグリーン右のガードバンカーの縁近くにつかまり、スタンスが取れずに一打で出ず、4オンのまたまたダボ。
5番、池越えの163Yパー3、端っこに乗ってやっとパー。6番489Yパー5はグリー手前に池が入り込んできている、ややこしいホールだ。セカンドを8番アイアンで刻み、残りの100ヤードをアプローチウエッジで狙うも、右に外してボギー。ウエッジでも、グリーンが捉えられない

7番195Yパー3、2オン1パットのパー。
8番405Yパー4はグリーンの右にクリーク左に池…、左のクリークに捕まってダボ。
9番432Yはバンカーも池もないけれど、ボギー →
このハーフは、2パー4ボギー3ダブルボギーの10オーバー、46。すぐにダボを叩いてしまうのが致命傷だ。そのままインへ…。
← 10番383Yパー4。
ティショットは池越え自分の飛距離と相談してどこへ打つかを決めなければならない、厄介なホールだ。

昨今はショットに自信のない章くん、フックを警戒するあまりに右の林に打ち込んでトラブル。5オンのトリ。
ところが、このトリで開き直ったのか、このあとショットの切れがよくなって、11番522Yパー5、12番162Yパー3をいずれもパー。
でも、短い13番361Yパー4を乗らず寄らずでボギー。

14番496Yパー5は、10番と同じように池の向こうに左斜めに伸びるフェアウエイへ打っていくホール。フックはどれほど曲がるか解らないので、池の上から今日の朝から出ていたスライスを打っていったら、ボールはフェアウエイの右サイドに止まった。そこから8番で刻み、9番へとつないだショットは見事3オンして(当たり前か…苦笑)

パー。
15番383Yパー4、エッジから3パットしてボギー。グリーンの前後と左が池の16番は、右へ外したものの、1パットでパー。
池越えの17番166Yパー3は、やけにグリーンが近く見えて、6番アイアンで軽く打ったらナイスオン。バーディは逃がしたものの、楽々のパーが来た。
←そして最終18番
415Yパー4
右にバンカー、左は大きな池が待ち受ける、距離の長いホールだ。
ティショットは右のバンカーへ。残り200Yほどのセカンドを3アイアンで打つも、トップ球で50ヤードほどを残してしまった。サンドウエッジでのアプローチを2mに寄せたけれど、入らずボギー。

インのトータルは5パー3ボギー1トリの+6で42。本日のラウンドは46+42で88だ。
シャワーに入って、食事…。「さすがにゴルフばかりしているとみえて、奥ちゃん、腕を上げたね」と水を向けると、「週に3回はゴルフをしている」と言う。でも、章くんが一生懸命にゴルフをしていた20年ほど前には、日本で年間200回ほどはゴルフをしていた。練習場は週5回、夏場に16日間連続ラウンドしたこともある。そう言うと、「そうかぁ、週に4~5回はラウンドしなきゃいけないなぁ、練習も…」とその気になっていた。
タクシーでオリエンタル・バンコクに帰り着いたのは、午後3時前。奥ちゃんは、明日の夕食を章くんがご馳走することになっているので、また明日の再会を約して、自宅へと帰っていった。
夕食まで3時間ほど間があったので、章くん、昨夜も4時間ほどしか寝ていないから、ひと眠り…。
午後7時30分、予約を入れておいたホテル内のレストラン「ノルマンディ」での夕食に向かった。このフレンチ・レストランはなかなか席が取れないという話を聞いていたので、章くん、この旅を計画した時点で予約を入れておいたのだ。

ガーデン・ウイングの最上階にあって、大きな窓からはチャオプラヤ川を行きかう船の明かりを見下ろしながらの食事を楽しむことができる。欧米人を優先して、日本人などはみんな入り口近くの席に座らされるなどと聞いたこともあるが、章くんの席はバンコクの夜景を望める2列目…、左の柱の横だったのはひとりだったから仕方がないか。
ドレスコードは厳しく、半ズボン・サンダルはダメ、男性は上着・ネクタイを着用し、女性客はほとんどがドレスアップしてのお出ましである。

料理はもちろんアラカルトで頼むことができるが、章くん、フランス料理のあれこれをチョイスするほどの知識もない。ここは、昼食から何も食べずにお腹を空かせてきたことだし(といっても、お昼も遅くかったから、それほどの空腹感もないけれど)、品物を考えなくてもいいコースを頼んだ。
ラングスティーヌの前菜 →
「お飲み物は…?」と聞かれ、根っからの下戸である章くん「ウーロン・ティ」と言おうと思ったのだが、せっかくのノルマンディのディナーだし、ここはバンコク…、「グラス・ワイン、プリーズ」。
種類は「何がいいか?」と聞くので「お任せするよ」と頼んだら、赤ワインを注いでくれた。後日、勘定書きを見たら1000Btとあったから、結構な高級ワインなのだろうが、章くんには宝の持ち腐れ。ちょっと舐めてきた…というカンジだ。同時に「ノンガス・ウオーター」も頼んだ(これ無料!)。
hors-d' œuvre (前菜)ラングスティーヌ(赤座海老)のクネル、
poisson (魚料理) ヒラメのグリル、ホワイト・ソース仕立て
sorbet(口直しのシャーベット) 青リンゴ
viande (肉料理) 子牛とフォアグラのソテー、 …「ダストパン」
dessert (デザート) パッションフルーツ、スフレ&ソルベ
café (コーヒー)or tea(紅茶)、小菓子…といった構成だったろうか。
肉とデザートの間にチーズ、そのほかにも何か出てきたように思うの
だが、定かでない。
← メインディッシュは子牛とフォアグラのソテー。やわらか~い。
ワイングラスの向こうに、チャオプラヤ川の夜景が見える。
およそ2時間、章くん、ひとりで暇だったから、日本から持っていった三島由紀夫を読みながら、ゆっくりと味わってきた。
料理の出来栄えは申し分ない。残念ながらフレンチを云々するはどの舌は持ち合わせていないが、「子牛のトルネード、フォアグラのソテー添えトリュフソース仕立て」は、子牛の肉の柔らかさをフォアグラのソテーが優しく包んで、ほのかな温かみが口の中に広がるようであった。
スフレはコース料理のものながら、日本の標準サイズのものの2倍はあろうかというサイ
ズだ。パッションフルーツの甘酸っぱさ、スフレの熱々(あつあつ)、ソルベの冷たさ…、そのバリエーションの組み合わせが良い。
雰囲気も、隣の席まで筒抜けの声高に話す客はいなくて落ち着いている。ギャルソンを呼ぶのに「すみませ~ん」なんて大声を出すこともない。ギャルソンたちは客の視界に入らないようにちょっと離れているが、いつも注意を配っていて、ナイフとフォークを皿に揃えて置くと、速やかに引いてくれて、次の料理を運んでくれる。このあたりの細やかさが、オリエンタル・バンコクの居心地の良さである。

コーヒー or 紅茶 or
エスプレッソ + 小菓子 →
お腹が一杯になったところで、近所のマッサージ店へと出かけた。2時間みっちりと揉んでもらって、至福の時だ。
← 夜のロビー。陽光がたっぷりと差し込む昼間と違い、
とてもムードのある雰囲気だ。
明日は、もう帰国の日…。夕方、奥ちゃんが来るまで、何の予定もない。
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