第10日 21日(火) その1
ラーマT世像
今日もゴルフは休憩、昨夜見残したチャイナタウンの探検だ。朝6時に起きたときには、ゴルフに行こうかなとも思ったのだけれど、空模様も怪しいし、ゴルフ場の予約もしてなかったので、もう一日休憩することにしたのである。
そうと決まれば、もう一度寝てやれと思って9時まで寝ていた。
9時、シャワーに入り着替えて、フロントへ降りる。明日のゴルフ場の予約を頼むためだ。
部屋へ戻って、コーヒーを飲みながら待っていると、「プレジデントGC、OK」の返事が来た。これで明日のゴルフは決まり。明後日は、吉川さんと一緒に「バンコクGC」でのプレーが決まっている。
10時30分。早い目の昼食を取ろうと思い、ロビンソン・ショッピングセンターの4階レストランへ向かった。
|
|
|
前の写真を指差して、肉野菜
炒め(50Bt.)を頼む
【拡大】 |
鶏肉が吊り下げられたコーナーがあった。前の写真の
1こまを指差すと、「OK」と即座に鶏肉入り炒飯
(45Bt.)を作ってくれた。 |
|
|
|
使用済みの食器は、係りの人が
片付けてくれる |
今日の章くんの昼食
50+45+15=110Bt
【拡大】 |
読者サービス(盗撮?)
ここはあやしいサイトか |
食後は、「サトーン桟橋」から、今日も水上バスに乗ってお出かけだ。
桟橋の手前に、近距離バスの車庫(たまり場…というべきか)がある。このバス、恐ろしいほどオンボロ車ぞろいで、乗客は荷台を改造した座席に勝手に飛び乗り、降りるときに前に回って運転手にお金を払う。
章くんは、個人的に客を運んでいる白バスかと思っていたが、れっきとした公共交通機関だと聞いて仰天した。
|
↑桟橋前に、近距離バスの車庫がある 【拡大】 |
|
|
うしろの荷台に屋根とシートがつけられている。
客は勝手に乗って、降りるとき運転席に回って
料金を支払う。日本だったら、金を払わずに逃
げる奴が、続出だろう。
|
「サトーン桟橋」から、チャオプラヤ・エクスプレスに乗り込む。
水上バスの船内にて
船中で勉強している女子学生 →
やる気さえあれば 勉強なんて
どこでもできる。
水の都バンコクでは、川は鉄道線路である。中央を、ゆっくりと貨物列車がやってきた。
水上バスに乗ってしばらくして、激しい雨に見舞われた。大きな雨粒の、水しぶきを上げるような雨である。
チャイナタウンの最寄の船着場は「プラ・ブッダ・ヨートファー(メモリアル・ブリッジ)桟橋」という、ちょっと長い名前の停船所だ。船から飛び降りて、待合所に走り込む。
しばらく、雨宿りだ。
チャオプラヤ・エクスプレスの待合所は、きちんと管理されているのか、乗船客だけしか姿を見なかったが、隣接する渡し舟の待合室には、住みついている人たちがいた。
床に寝転び、洗濯物を干したりしていた →
小降りになったので、待合室を出て、チャイナタウンのほうに歩き始めると、大きな
ラーマ1世の坐像のある公園に出た。と、再び雨脚が激しくなり、章くん、ラーマT世坐像の台座の下へ走りこんだ。
【拡大】↓
そこには先客の家族が居て、顔立ちからするとインド系の人たちだろうか、おとうさん、おかあさん、おばあさん、それに5才ぐらいの男の子とお母さんに抱かれた2才ぐらいの赤ちゃんの5人連れである。
お父さんと男の子は裸足(はだし)、男の子は上半身はだかだ。
一家のお昼ごはんが始まった。木の葉で包んだおにぎりのようなものをほおばっている。
食事の途中、男の子が、何か気に入らないことがあったのだろうか、ぐずってお母さんにまつわりつい
く。
何か言いながら、男の子を諭す母親…。なお、泣き喋る男の子…。と、いきなり母親の平手打ちが、男の子のほほに飛んだ。雨の降る公園のコンクリートの上に転がる男の子…。濡れねずみになりながら、なおも激しく泣きじゃくるけれども、両親は知らん顔だ。
章くん、いたたまれない気持ちで見るともなく見ていたが、何をすることもできない。
20分ほどの時間が経っただろうか。ようやく小降りになった雨の中を、泣きべそをかいてしゃくりあげている男の子を、おばあさんが抱き起こして手を引き、5人はどこかへ立ち去っていった。
発展途上にある国は、整備しなければならない課題がたくさんあって、福祉や厚生といった事業は後回しにされる嫌いがある。もし、国家から何の恩恵も…教育すら受けられない子どもが、将来、自らや家族が生きるために、人のものに手を伸ばすようなことがあったとしたら、果たしてそれは犯罪なのだろうか。国が貧しいということは、それ自体が罪なのではないか。
どこかへと歩いていくその家族の姿を見送りながら、頭上にそびえるラーマ1世像に向かい、章くんは問う、「王よ、あなたは、あなたの民を守ったか。あなたの民を幸せにしたか」と。大王の建国の偉業の範疇には、一人の民の幸せは小さすぎて零れ落ちるささやかさなのだろうか。
ようやく雨もあがり、辺りの景観はみずみずしさを取り戻した。
公園の横に、大きなお寺があった。案内書を見ると「
ワット・ラーチャプラナ」、納骨塔の大きさが目を引く。
【拡大】→
ご本尊の釈迦三尊像に参拝してから、案内書に「日本人納骨所」があると書いてあったので、境内を3回まわって探しが見当たらなかった。
ご本尊の釈迦三尊像 →
面長の顔立ちは、法隆寺の釈迦三尊像とよく似ている
寺の横のチャクラペット通りを数百mほど行くと、小さな店がひしめき合う市場へ出る。
← 街頭広告。
くずかごがついている。
大きな通りから細い路地に入ると、その奥深くに、広大な広がりを持つ市場がひそんでいる。ここ「
パフラット市場」はインド人の人たちが店を並べるインディアン・タウンだ。
インドのサリーなどの服地を並べる店が多く、色鮮やかな雰囲気が漂う市場だが、太陽の光の届かないず〜っと奥にも店は続いていて、薄暗い電灯の下で服地を売る人がいた。先ほどの雨で、露地の細道はぬかるみ、人々は水溜りを飛び越えていく。
パフラット市場の風景
|
|
|
奥までずっと洋服屋さんが並んでいる。 |
行けども行けども洋服屋さんだ。
【拡大】 |
露地はぬかるみ、いたるところに水溜りがある。 |
|
|
|
中にはきれいな通りもあって、舗装道路、店々は冷房も完備している。 |
子どもはどこでも元気。テレビゲームをやっていた。 |
薬屋さん。インド人の薬剤師さんがいる。 |
市場を抜け、表通りへ出て、オンアーン運河を渡ると、「
サンペーン・レーン」と呼ばれる商店街だ。貴金属店などが多いこの通りを少し歩いて左へ曲がると、「
ドロボウ市場」の異名を持つ「
ナコーン・カセーム市場」へ出る。
案内書に、『どこから持ってきたンだ、誰が買うンだという、ガラクタが並ぶ』とある。先刻に盗まれたものが、すぐに売っていて、「これは俺のだ」と言っても、「金を出して買え」と言われるといった話もあって、どんなものが並んでいるか…これは見てみなくてはと期待して行ったのだが、工具やその部品など、工作機械関係の品を売る店が並び、至極まともな店々であった。
こんなはずじゃないと章くん、ある店のおじさんに、「ナコーン・カセームはどこだ?」と聞いたら、「ここだ」という答えが返ってきた。
「ナコーン・カセーム市場」 【拡大】↓
|
|
|
機械工具の店が並ぶ。 |
これ、何を売っているか判り
ますか。「ピストルだよ!」 |
タイの人は、どこででも
食事している。 |
「どろぼう市場」という響きから、もっとスリリングで、とんでもないものが売っているのかと思いきや、至極普通の機械類や工具が並んでいたので、拍子抜けした。タイのドロボウは、美品好きなのだろうか。
市場を出て、再び表通りへ。昨夜の「ファラボーン駅」の ↓ チャイナ・タウンの
近くにある、黄金仏の寺「ワット・トライミット」を目指し 方々で見られる中華門
て歩く。
← 道端で、コーラを売る子。
売れると、ビニルの袋に氷と コーラを入れて客に渡す。 買った人は、袋を提げて歩き ストローで吸いながら行く。
20分ほど歩いた。いきなり、チャオプラヤ川の水上バス停留所「ラーチャーウオン桟橋」へ出た。東へ向いて歩いているはずが、南へ向かってき
たのだ。章くん、羅針盤内蔵人間を自称して、方向感覚には自信を持っていたのに、タイではコンパスが狂いっぱなしだ。
ラーチャーウオン桟橋の渡し舟の改札口 →
渡し舟は、切符を買い、改札のおばちゃんの
チェックを受けて、船に乗り込む。
左が発売窓口、右の座っているのが改札の
おばちゃん。
その10へ その12へ 世界ゴルフ紀行トップページへ