9月4日(土)  映 画 ・ DVD
エアベイダー
ソルト

ベスト・キッド



 8月は映画を3本見た。「エアベイダー」「ソルト」「ベスト・キッド」の3作である。「ヒックとドラゴン」も見たかったんだけど…。
 「エアベイダー」は、世界が火・水・土・気の国に分かれていた頃、4つの国の調和を乱す火の国の横暴を懲らしめる、気の国のスーパーボーイ=エアベイダーの物語。彼(子ども)が怒ると、山は吹っ飛び、海では津波が起こるぐらいのパワーの持ち主だ。
 「ソルト」は、ロシアのスパイ養成所で育った女の子(ソルト)が長じてアメリカ国籍をとり、アメリカ人の学者と結婚してCIAに勤務している。ロシア諜報部は彼女の仕事を徹底させるために、その夫を殺害する。ここから、彼女の報復が始まった。CIAからも追われながら、ロシア諜報部員を皆殺しにしていくソルト…。
 「ベスト・キッド」は、ジュニァ版ロッキーだ。転校先でイジメを受けた相手は拳法の達人…。コテンパにやられるジェイデン・スミス君を助けたのが、インスタントラーメンをすするメタボのおじさん=ジャッキー・チェン。 修業の甲斐あって、拳法大会でジェイデン君はイジメの相手をノックアウトする。 
 奇想天外な方法で憎っくき相手をやっつける…、「いゃぁ、映画ってホントにいいですね!」がわかるあなたも、昭和のお生まれですね。


 さらにレンタルビデオで、『旧約聖書』の創世記第1章の天地創造から22章のイサクの生け贄までを描いた「天地創造」、マケドニアの王としてペルシアを破り、オリエントへ大遠征をする「アレキサンダー」、この映画1本で倒産寸前だったMGMを一気に立て直したという「ベン・ハー」も見た。
 いずれも、正義、愛、絶望、勇気、信頼、裏切り、闘志、運命、信仰 … と、人生のエッセンスがぎっしりと詰まった感動の超大作だ。
 今、このあたりの物語が面白いと思うのは、塩野七生の「ローマ人の物語」を読んでいることも関係している。戦闘シーンで騎兵が駆けていくと、鐙(あぶみ)をつけていないのを確認して、『考証が正しくなされているな』と納得するのである。中国では4世紀頃にそれらしきものが遺物として残されているが、ヨーロッパで鐙が用いられたのは7世紀頃からであり、それまでは、騎乗者は両足の大腿部で馬の胴を締め付けて乗馬していた。当然、姿勢は不安定であり馬の激しい動きに追従するのは難しく、騎兵は特殊技能で、幼い頃からの鍛錬が必要であった。ローマ軍では騎兵はごく少数で、同盟国の騎馬民族ヌミディアなどから応援を得ていた。
 クレオパトラを最後の女王とする王朝プトレマイオス家が、アレクサンダーの遺臣であるプトレマイオスを始祖とすることも初めて知った。紀元前331年、ガウガメラの戦いでダレイオス3世指揮下のペルシア軍を破り、その後の7年間に及ぶ東征でインドのパンジャブ地方にまで領土を広げたアレキサンダー大王であったが、33歳でこの世を去ったとき、彼は後継者を指名していかなかった。そのため、3人の遺臣は大帝国を3つに分割して統治し、互いに覇を競い合ったのだが、これらはいずれもローマによって滅ぼされることになる。
 事実は小説よりも奇なり! エジプトの民によって神と崇(あが)められたプトレマイオスの王・女王が、実はギリシア人だったとは…。
  

 「ベン・ハー」なんか、もう5度以上は見ているだろうけれど、今も感動してしまう。
 絶望の鎖につながれるガレー船の漕ぎ手に落とされても、まっすぐに前を見つめて生きるベン・ハーに、不屈の闘志をもって人生を生き抜くことの大切さを教えられた。どんなときも、人間、希望を捨ててはいけない。
 迫力の戦車レースには、いつも力が入る。それぞれの意地と栄誉を賭けて、男たちは死闘を繰り返す。ベン・ハーの敵役であるメッサラにも、ローマの属州統治官としての立場と役割があったのだ。そのために、幼馴染との友情と人間としての博愛を省みないというのは批判を受けねばならないが、それでも結果を求める生き方を選ぶのも人間というものなのだろう。人間とは、可愛いものなのだ。
 陥(おとしい)れられて没落したハー家を、変わらぬ忠誠心で守ってきたエスターや、病に犯された母親が、ベン・ハーに知られたくないと、隠れるように死の谷へ向かうシーンなど、人間とは美しいものだと涙させられた。
 いゃあ、人生は捨てたものじゃない。



9月1日(水) 民主党代表選 菅・小沢の一騎打ち


 ひと言で言うと、小沢一郎は「名誉ある撤退の場を失った」ということだろう。


 菅 直人は、よく頑張った、恐かっただろうに! 会談すると言ったとき、僕は『菅は小沢の(顔が立つように、小沢グループの面々の閣僚・役員への登用という)要求を呑んで、(じゃぁ、俺が出るまでもねぇなと言って)代表選から降りるよう、妥協するんじゃないか』と、6割がたそう思っていた。勝てる喧嘩を、小沢恐わしで2歩も3歩も譲ったのでは、これからの政権運営も脆弱なものになってしまうのに…と。
 ところが、バルカン菅直人は生きていた。「密室の談合で政策や人事を決める政治は、国民の納得が得られない」と正論を吐き、小沢・鳩山・輿石を相手に1歩も引かず、小沢一郎に引導を渡したのである。
 これから投票日までの2週間は、歳入不足のもとでの予算の編成…、円高・株安の経済…など、政権を預かる菅直人には不利な材料ばかりが立ち並んでいる。そこが小沢の狙いどころなのだろうが、先日も書いたけれど、民主党の党員・サポーターの実数などを知らない僕は、根拠を示して代表選の行方を示すことができないものの、隠然たる小沢一郎の影におびえる国会議員は小沢支持で保身を図ろうとするかもしれない中、党員・サポーターが加わるならば、菅 直人が勝利するような気がする。
 敗れれば、小沢一郎は死に体だ。豪腕伝説も、壊し屋の異名も、それらはみんな実体のない影が異様に膨らいで一人歩きしていたのであったことを、青天白日の元でみんなが知ることになるだろう。それでも、影に寄り添ってしか生きられない闇夜の烏のような輩も何人かは居るだろうから、政界再編への動きは避けられない。バルカン菅直人、もうひと働きしなくてはならないなぁ。
 

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