11月26日(金) 金正日・正恩、ご乱心? −北朝鮮、韓国へ砲撃−
折りしも(…と言うのは、下の24日の記事の関連として)北朝鮮が韓国延坪島
に122ミリ多連装砲のロケット弾を打ち込み、島民2人と韓国軍兵士2人が死亡した。先日は、北朝鮮の魚雷攻撃により韓国海軍の哨戒艦が沈没し、46名もの乗組員が死亡している。韓国の国防体制はどうなっているのかと心配してしまうが、北朝鮮の暴走振りにも驚かされる。
明日から始まる黄海を舞台とした米韓合同演習に北朝鮮がリアクションを起こせば、米韓VS中朝の緊張が高まることになる。フィリピンのアキノ大統領は、「わが国の輸送機には限りがあり、フィリピンまで帰国させるには時間がかかる。避難するには日本が最も近い」と語り、今後の事態の推移により、韓国に滞在するフィリピン人約5万人を日本に緊急避難させることを検討していることを明らかにした。事態はそこまで進んでいるのだ。
日本近海にも1発打ち込んでくれれば、「静かなる外交の勝利」などと意味不明の世迷いごとをほざいている平和ボケも覚醒するかもしれないというのは、今はまだ冗談としても、この事態は日本の国防を考える絶好の機会であろう。東シナ海ガス田・尖閣・竹島・北方領土と、相次ぐ近隣各国との摩擦に加えて、北朝鮮の暴発を目の当たりにしては、防衛力を整えるべきとする国論は是非を待たない。自衛力の増強に対しては、日本的アレルギーとまで揶揄された反対意識も、近年は大きく様変わりしてきているし、核融合を進めているという北朝鮮の動向を見れば、今こそ国防に対する世論を喚起するときである。
発進しない『仙菅ヤマト』は打ち捨てておくしかない。国民的な議論の高まりをリードする政治勢力は出るのか。桜井よしこ総理大臣の実現に期待しようか。
11月24日(水) 「佐世保港を潜水艦拠点に」と佐世保市長
長崎県佐世保市の朝長則男市長は22日、海上自衛隊の潜水艦が増強された場合、佐世保港を拠点とするよう、安住防衛副大臣に検討を求めたと、読売新聞が伝えている。
年末には「防衛計画の大綱」(防衛大綱)が策定されるが、その中で潜水艦の建造が盛り込まれる予定だ。現在、海自の潜水艦は、広島県呉市に第1潜水隊群9隻、神奈川県横須賀市に第2潜水隊群7隻の計16隻がある。防衛省は、日本近海での活動を活発化させている中国海軍への警戒監視活動などを強化するため、20隻以上に増やす方針を固めたとされる。
僕はかねてより、日本も原子力潜水艦を建造し、核装備させて世界の海に潜らせることが、国防の要だと主張してきた。核開発は、日本では公的立場にある人はまだ口にできない事柄なのだろうが、潜水艦の配備を申し出る地方自治体があることは心強い。
新刊建造は規定のことで、どこを母港とするかの段階なのだろうが、それでも佐世保は米艦隊の寄港などに反対運動を繰り返してきた土地である。その市の市長が、新潜水艦の母港をと申し出たことは、日本の国防にとって大きな前進であろう。
11月22日(月) 国定忠治のイベント中止
群馬県伊勢崎市で、国定忠治の遺品展や郷土史家による講演会などを企画していたイベントが、五十嵐清隆市長の「忠治は歴史的に評価が分かれている」と示された難色によって、中止となったという。ここには、後世のものが歴史を評価することの難しさがあるようだ。
よく知られていることだが、国定 忠治は江戸時代後期の侠客で、「国定」は生地である上州佐位郡国定村に由来し、本名は長岡忠次郎。上州から信州一帯を縄張りとして活動し、一帯を実質支配していた大親分だ。天保の大飢饉では縄張りの村々への救済を行っていて、このことから農民を救済した侠客として、多くの講談や映画、演劇の題材となっている。
人々は、忠治が関所を破り役人を殺めた博徒・侠客であることをよく知った上で、強気をくじき弱きを助けるその男気を愛し、親しんできたのであろう。多くの歴史上の人物には、表と裏の顔があり、光と影の部分があることは事実である。後世に生きるものが、その時代の物差しを持ち出して、先人を裁くことは傲慢であろうとも思う。
もし、先人を後世の価値判断で裁くことが許されるのならば、織田信長は比叡山を焼き討ちした大魔王であり、山本五十六は真珠湾をだまし討ちして日本を敗戦に導いた大悪人だとせねばならない。しかし、歴史は、彼らが生きた時代を背景として、そうしなければならないという彼の判断をもって成り立つのである。
忠治のトレードマークの三度
笠とカッパをあしらった伊勢崎市の案内板を見た市民から、「伊勢崎はヤクザの街か」と苦情が出たとも報じられているが、「伊勢崎はヤクザの街ではなく、映画・演劇で活躍する、侠客の国定忠治が生きた土地だ」というのが正解だろう。
侠客の清水次郎長の地元である静岡市は、「その名は全国に知られている」という理由で、次郎長をこれからも大切にしていくという。忠治も、「昔、農民の見方をして、役人と争った博徒がいた。その名は国定忠治」として、大事にしていけばいいのではないか。また、していかなければならないのではないか。
一面ばかりを見て、負のイメージがあるから、それを全面的に回避するというのでは、原理主義・教条主義的に過ぎて、ものの見方が狭くなりすぎると思われる。
かつての時代を生きた人々の、良い面も悪い面も見据えた上で、彼らを受け入れていくことだ。今の時代を生きているものが、その結果を覚悟を持って背負っていけばよいのではないか。
11月22日(月) レコード大賞って…?
レコード大賞の最優秀歌唱賞を、近藤真彦が受賞したとテレビが報じている。歌唱賞って歌唱力に優れたものに贈られる賞じゃないのか…? ましてや最優秀歌唱賞なのだから、歌手全員の中で最も歌のうまかったもの、最も感動を与えた歌を称える賞ではないのか?
近藤真彦が歌を歌うことも、自分は歌手であると自称するのも、それは個人の勝手なのだろうけれど、その歌を評定して歌唱大賞を贈るなど考えられない。
先日、NHKのど自慢にゲスト出演して、出演者のあとで歌っていたが、活舌は悪く音は外れ、歌の内容も伝えることのできないもので、鐘3つは決して鳴らない歌であった。
もともと、「たのきん」といわれたこのトリオ(近藤真彦と田原俊彦と…もう一人は誰だっけ)は、歌手なんてレベルの歌を歌えるそれぞれでなかった。新聞を読んでいるような調子でマイクに向かい、回転するだけの踊りをダンスと称していた連中である。
あれから20年、少しも進歩していない歌を、相変わらず臆面もなく披露している男に最優秀歌唱賞とは…、レコード大賞の正体も見えたということか!
ン…、昔から見えていたって…。じゃぁ、レコ大の正体が
確認されたと言い直そう。
11月17日(水) 「はやぶさ」、小惑星からのお土産!
7年間の旅から今年6月帰還した小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った物質が、粒子の分析結果が一致して、小惑星イトカワのものと同じであることが判明した。月以遠の天体から、物質を持ち帰ったのは、世界初の快挙であるという。
「ど〜して、世界初でなくてはいけないのですか。2番目ではいけないのですか」だって…? 自分で考えろ、小学生でもわかるだろう。
11月16日(火) 柳田法相 失言! −「冗談」でいいんじゃない−
余裕のない世の中になったものだ。身内ばかりの大臣就任祝賀会で、テレもあって、「二言で乗り切ってきました。『個別の案件についてはお答えを控えさせていただきます』『法に照らして厳格に処理してまいります』と。」と話したのだろうが、国会で『辞任しろ』と追求されている。
「いゃぁ、身内の会合で、つい乗ってしまいまして…。ゴメン!」で済ませる程度の話だろうと思うのだが…。
「これから気をつけてもらいたいと思いま〜す。それでは、尖閣問題ですが、
尖閣諸島海域へ中国の漁業監視船が毎日出てきていて、周辺は事実上中国の領海になっているということを政府は知っているのですか? それに対して、どういう対処手段を講じているのですか?」と質問するほうが、ずっと、ずっと、ず〜っと大切な野党「自民党」の使命だろう。
11月16日(火) 尖閣諸島海域へ中国の漁業監視船
テレビが、「チンタオ(軍?)港から、ヘリコプター搭載の最新型漁業監視船が尖閣周辺海域へ出航した」と報じている。ど〜する、「仙菅ヤマト」!
なぜか日本のメディアは積極的に伝えていないが、中国人船長の釈放以来、尖閣諸島への中国漁業監視船の出動は常態化していて、その船に守られながら多くの中国漁船が出漁し、日本の専管漁業水域内で魚を獲っている。日本の海でありながら、日本漁船は、危ないから近づかない。(苦笑)
「仙菅ヤマト」が、『尖閣列島に領土問題は存在しない』なんてノーテンキな言葉遊びをしているうちに、尖閣周辺は中国漁船が我が物顔に漁業する中国の領海になってしまっている。つい1ヶ月前に危惧された事態が、もう現実のものになっている。統治能力がないことを露呈してしまったこの内閣では、尖閣の中国領海化に対して実効ある対処をすることは不可能だろう。
この案件に対しては、領海侵犯に対して発砲許可(世界では当たり前のこと)を含む法整備をし、海上保安庁と自衛隊に厳正な警備を命じることだ。相手が不法行為をすれば、不測の事態も決意しておかなければならないことだろうが、それを処理・解決するのが政治の責任というものだろう。
「仙菅ヤマト」、発進! 即、撃沈された…というのならばまだ格好もつくが、即 逃げ帰って来るのが目に見えているから、出撃せずに「私たちの手には負えません」と解体(総辞職)するのが一番いい選択だ。
11月15日(月) 白鵬の連勝ストップ
ちょっと不謹慎な言い方かもしれないが、正直ホッとした。連勝をストップした希勢の里の健闘に、よくやったというような快感もなく、『なんとか連勝をストップしてくれたか』といった消極的なエールを送るにとどまった。
相撲ファンというわけでもないし、また、人間的にも白鳳を嫌いというわけでもないのだが、『不滅の大記録、双葉山の69連勝』が、モンゴル人横綱の白鳳によって破られることに、敬意は払うけれども心から喜べないものがあったのが、ホントのところだった。
相撲人気の低迷が叫ばれて久しい。暴力団との交際や野球賭博問題など不祥事が続いて、相撲界は汚名返上に躍起だが、
一番の挽回策は強い日本人横綱を育て上げることだろう。
11月15日(月) 白山ヴィレッジ ホテル「シャトー」
「誕生日無料利用券」ってのが送られてきたので、ゴルフと宿泊に行ってきました。顛末報告は物見遊山に記載しますが、このところ原稿に追われて明け方まで机に向かい、お昼過ぎに起きる生活を送っている僕は、ゴルフはフラフラ…、ホテルに入ったら食事時間に起き出した以外はずーっと寝ている状態で、つくづくゴルフ向きの体じゃないな…と実感させられました。
スコアですか。スタートホールでいきなりの4パット…、終わってみれば「88」。言い訳するわけじゃないけれど、右ひじの痛みが心と体を刺す。
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本物アディダス |
これはアジデス |
11月14日(日) 知ってる、「アジダス」?
有名スポーツ用品メーカー「アディダス」のロゴをもじって、「アジダス」なるロゴを見つけた。Tシャツなんかに、堂々とプリントして売っている。パロディと知って着ているのがオシャレなのだろう。Tシャツとしては割高の3000円ほどの値段

をつけているとか。
ヒョウの姿のピューマ(Puma)をもじって、「ブーマ」というのなんかもあるそうな…。奥さんに似合いそうだけど…。
社会的地位を獲得したかに見える「アジダス」だが、それでも付きまとうのは『所詮は偽者』という中傷…。
そこで、登場したのが左の写真! これこそ、本物のアジだす!
これを偽者と言うものは居まい(大笑)。
11月11日(木) チビ、占領!
先日から急に寒くなって、夜の冷え込みが厳しくなった。夜中に原稿を書いたりすることの多い章くん、冷える足元を暖めるための『保温マット』を買ってきた。
50cm四方ぐらいの小さなもので、机の下に置いた電気ストーブとともに使用して、足元が冷えるのを補うつもりだ。

プラグをコンセントに差し込んでスイッチを入れると、小さな赤いランプが点灯した。通電OK…、これで足元の保温は万全だ。
と…、そこへ母チビがやってきて、ゴロンと座り込んだ。それほど大きいとは思えないチビなのだが、マットのほとんどを占領している。
おいおい、僕はどーすればいいんだ?
「こりゃあ、暖かいわ」と座り込む 母チビ →
チビに追われた僕の両足は、マットの端にチョコンと乗っけさせていただいている。時々、体の下に差し入れると、チビは前足でグイと抑えて、懲らしめのための軽爪を立てる。
東シナ海を中国に占拠されたあとの日本漁船も、こんな様子なんだろうなぁ。
11月10日(水) 映像流出は神戸の海上保安官
−神戸海上保安部に激励電話が700本−
「ビデオの流出は、私がやりました」と神戸海上保安部(神戸市)の海上保安官(43)が名乗り出た。警視庁捜査1課は、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで、この保安官を取り調べている。
守秘義務違反というが、中国人船長が釈放されるまでは、このビデオは関係者の誰もが見ることができる状態であって、マル秘物件などというものではなかったらしい。那覇地検が行った中国人船長の釈放を官邸が「了」と言ってから、急に『ビデオを出せ』『出さない』との話になって、犯人を中国へお帰り願っているのに、まだ起訴する・しないを繰り返し、「捜査段階だから出せない」なんて理屈をつけて、マル秘物件扱いにしてしまったのだ。
これが秘守義務のある国家機密なのかという疑問があるが、今回の流出を罰するというのならば、いつも捜査上知りえた事柄を意図的にリークする警察や検察の当事者は、全て逮捕されなければならないのではないか。
神戸海上保安部には、「逮捕させるな」「がんばれ」といった激励電話が、700件もかかっているという。国民は、日本は何をしなければならないかを、正しく判断しているのだ。
その頭海上保安部に、検察が立ち入り調査を行った。さすが、日本の検察…、強いものには弱いけれど、弱いものには強い(苦笑)。
もともと「秋霜烈日」の検察官記章(バッジ)は、「正義を守って巨悪をも許さず、刑罰・権威などに対してきびしく厳かである検事の職務とその理想像を、秋の冷たい霜や夏の激しい日差しの厳しさにたとえて表したものとされている。また、検事には霜の如き厳格さばかりでなく、陽射しのような暖かさも必要という意味を込めても制定された」とか。
証拠品偽造で地に堕ち、魚住昭氏の「特捜検察の闇」や、産経新聞の宮本雅史氏の「歪んだ正義」、そして元特捜検察官であった田中森一氏の「反転、闇社会の守護神」などで描かれたように、近年の検察は、本来の姿を見失っている。誇りも維持もかなぐり捨てて、政治に屈服し、裏金作りの疑惑にすら頬っ被りしたままである。
足利事件の菅家利和さんや郵便不正事件の村木厚子さんら(いずれも冤罪で無罪確定)には、無理にでも自分たちが描いた捜査モデルを認めさせようとするのに、中国の恫喝には膝をつき、小沢一郎の政治資金問題では起訴にすら持ち込めていない。
国会中継を見ていたら、領海侵犯を犯し、さらに海上保安庁の巡視船に漁船をぶつけて損傷させた中国人船長の保釈を「了」とした仙石官房長官が、ビデオを流出したことを「了」とする国民の支援を、「法治国家として、断固あってはならない風潮」と答えていたのは噴飯ものだった。
やっぱりこの人は、学生運動家時代からの日和見であり、自分で言うように健忘症だ。政権の中枢にある官房長官がこのていたらく…、民主党政権はもうもたないなぁ。
11月9日(火) 中国漁船衝突事件の映像流出者は、正義の味方!
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を巡る映像流出事件で、政府は映像をネットに流した犯人探しに躍起になっている。映像を見て、「船体をぶつけてきている悪質な犯人を、なぜ釈放したのか」とか、「中国漁船が悪いのは一目瞭然。なぜ公開を渋るのか、全部出せ」とか、「隠すほどのものか」など、連日、国会で叩かれている政府としては、頭に血が上るのだろう。
8割が公開を望んでいる国民から見れば、映像を公開した当事者は、悪漢が不法に隠そうとした隠匿物を、「これかぁ」とお天道様のもとに晒してくれた正義の味方である。
「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の悪を憎み、
過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、又、ある時は影のように支える男たち。だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む彼らに、明日と言う日はない」
ご存知、大江戸捜査網の冒頭のナレーションである。悪徳代官たちがこそこそと隠してもみ消そうとした不法行為を、人知れず裁く隠密同心は悪を許さぬ正義の味方だ。今回の図式で言えば、彼(彼ら)は、首相や官房長官が国家の大儀も省みずに(能力にあまる重大事という面もあったが)、自らの立場や保身のために臭い物に蓋をしようとした姑息さを、天下のお白州へ引きずり出したわけだ。
その隠密同心の面々を捜査するなど、とんでもない。法治国家としては放っておけないというのならば、捜査する振りだけしておけばいい。普通の窃盗犯だって検挙率は20%を切っている日本の警察なのだから、「わかりません」で一件落着だろう。
現に、情報を流出させたと疑われている海上保安庁には280件もの電話がかかってきていて、そのうち262件が「よくやってくれた」「正義を守るために、これからもがんばってくれ」というねぎらいと激励の電話であったという。
映像を公開しない理由を、菅首相や仙石官房長官は、「捜査途中の証拠品は、非公開が検察の大原則」と言うが、中国人船長を凱旋帰国させて、何が今更、捜査途中につき非公開だ。
捜査の対象となる人も物も、すでに手の届かない向こうへ行っている。第一、手の内にあったものを、手の届かないところへ釈放してしまったのは、首相・官房長官と検察だろう。
11月8日(月) 市会議員 −日本の政治家の集約像−
先日、市会議員に立候補した友人の応援演説に行った。彼(△△男と記す)にとっては4期目の選挙で、最初の立候補から12年が過ぎようとしている。「○○市をこうしたい」「この市の人々の暮らしはこうあるべきで、そのために政治はどんな役割を果たすべきか」などなど、大きな理想と目的を持って公のために努力しようという彼の決意(今から考えてみれば、みんな周囲が作ったものだったが)を支持して、僕は最初の立候補から選挙の応援をし、政策綱領や活動要領を作るなどの支援をしてきた。
ところが2期、3期と再選を果たし、委員長や議長を歴任してくると、公のために何ができるかを語る彼の口数は少なくなり、市民の声を聞き、対話を重ねることを基本としてきたはずの△△男の政治姿勢も、足取りが重くなってきた。
僕は彼と同じ市に住んでいるわけでもないので、市政に対する頼みごとをしたことなどは全くないが、地方政治とはどうであるべきかを求める僕との交流は、彼にとっては次第に重荷になってきたのか、ここ3年ほどは音信不通のままであつた。
その彼から、選挙前の1ヶ月ほどのある日、電話があった。長年の友情から、「僕ができることは、何でもするよ」と、選挙事務所の立ち上げから応援に行ったのだが、久しぶりに△△男の姿を見ていて、彼も「すつかり市会議員らしくなってきたな…」と思った。
すなわち、市会議員では実現できる理想はタカが知れているから、なれるかなれないかは別として、県会から国政へ…、あるいは市長となって市政に尽くそうという、大きな志(こころざし)を持っていると信じていたのだが、「お前、市会議員になって何をしてきた?」と訊ねた僕の問いに、「議長もしたし…」と歴任した役職を並べる彼を見て、こいつもここまでの男だったか…と半ば諦めにも似た気持ちを抱いたのである。
「お前、そんなことを言ってたら、票を減らすぞ。俺は、市民とともに何がやりたいんだ。将来、この市をどうしたいんだということを訴えろ」と言う僕に、△△男は、相変わらず煙たいことを言う奴だという目を向けた。
投票日を2日後に控えた決起集会で、応援演説に立つ僕に、「5分で、終わってくれ」と言う。演者の人数が多くなって、一人当たりの時間がなくなったというのだ。
僕は、三重県の教育問題を糸口にして、この現状を打破するために△△男はどんな役割を果たすことができるのか…、その結果、三重県と○○市の教育のみならず市民生活全般がどう変わり、将来図はどのように描けるのか…、そのために△△男が必要なのだ…という話をしようと20分ほどの原稿を用意していった。
「5分で…」という彼の意向に、10分ほどに縮めて話を始めたのだが、5分ぐらいで巻きが入った。だから僕の話は問題点を提示しただけで、「これを解決し、三重県の教育を向上する方法は確実にあるのですが、それはまた後日、機会を見まして…。そのためにも、△△男をよろしく」と中途半端な話で終わってしまった。
ほかの応援演説は、元市長、元教育長、運動員、後援会役員といった面々…。これまでに△△男が関係した箱物、町の人たちの陳情を実現した話などを並べ、「だから、△△男さんが必要なのです」という、地方選挙でお決まりの現世利益の羅列であった。話の内容を覚えている聴衆は、ひとりも居ないだろう。
帰りがけ、たぶんに社交辞令が混じっていたのだろうが、「アンタの話を、もっと聞きたかったなぁ」と、○○市商工会議所の会頭が声をかけてくれた。
終了後、「提灯演説をさせるために、俺を呼ぶな!」と言った僕に、今後は△△男から応援の依頼が来ることはないだろう。
2日後、投票日。△△男は、前回よりも3分の1もの票を減らして、それでも中位で当選した。
県政でも、国政レベルでも、この県や県民…、国や国民…の生命・財産をどのように守り、どのような将来を築いていこうというのか、その未来像を熱く語れる政治家が今は居ない。大きな視野を持って国を造っていき、命を懸けて国民を守る政治を貫こうとする政治家が、居なくなってしまった。
菅内閣も、見えている範囲は身の回りだけで、世界や将来を見据えての展望は求めるべくもない。ただ現状を大事に抱え、前例や世間的な常識の範囲で、日々を過ごすことに汲々としている。
彼らの政治は、市会議員△△男のレベルと変わらないではないか。優しいだけの人権教育に包まれ、武力を持たないことが平和なのだと信じ込まされた、戦後教育の中で育った世代である。正しい判断をしろというのが無理と言うものか。
戦後レジゥムからの脱却、戦後体制の改築を、真剣に考えなければならないことは、待ったのきかない課題である。
11月1日(月) 小学校で英語
平成23年度から完全実施される『新小学校学習指導要領』により、小学校で外国語活動が必修になる。指導要領には外国語活動と書かれているから、どこの国の言葉でもいいのだろうが、まずは全ての学校で英語の学習が始まるのだろう。
学校で週1〜2時間の英語と称する授業を行うことが、子供たちの英語学習に必要なのだろうか。語学の習得は、必要に駆られたものが、目的を持って行えばいいのであって、また、必要意識がなければ身につくものでもない。
教師にとっても、とんだ災難である。付け焼刃でカタカナ英語を指導することになるのだろうけれど、クラスに帰国子女でもいようものならば、その子の話を全然聞き取れないことがばれてしまって、子供たちの信頼を繋ぎとめることはできないことになってしまう。
学校で十分な指導もできないものを、文部省はなぜ習得を義務付けるのか。正しい日本語も使えない子供たちが増えているというのに…。学校の先生が信頼できない現状では、子供たちは『英語塾』へ通うしかない。文部省は、また、「勉強したけりゃ塾へ行け!」というつもりか。
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